調教停止処分から半年…角居厩舎“超重厚布陣”で再出発

[ 2019年1月8日 05:30 ]

調教停止期間が終了した角居調教師
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 昨年7月6日に道路交通法違反(酒気帯び運転)で逮捕され、罰金刑を受けた角居勝彦調教師(54)の調教停止期間満了に伴い、中竹和也(54)厩舎に対する馬房の臨時貸付が終了。7日付で、17年菊花賞馬キセキ、ホープフルSを制したサートゥルナーリアなど76頭が同厩舎から角居厩舎に転厩した。12日のフェアリーS(中山)ではウオッカの娘タニノミッション(牝3)で、復帰いきなりの重賞制覇も期待される。 フェアリーS

 半年に及んだ角居師の調教停止期間が6日に満了となり、JRA重賞74勝を挙げている名伯楽が帰ってくる。7日は全休日のため、同師、スタッフともに厩舎に姿を見せなかったものの、同日付で中竹厩舎に臨時貸付されていた菊花賞馬キセキなど76頭が転厩することになり、愛馬と再スタートを切る。

 中竹厩舎は19年開幕となった先週にいきなり3勝を挙げ、全国リーディング首位発進。土、日の計13鞍で【3・5・2・3】だったが、そのうち角居厩舎へ“返還”となる馬が【3・4・2・0】。つまり、元々の角居師の管理馬9頭全てが馬券圏内に入ったことになる。これだけを見ても、角居師の管理馬がいかにそうそうたるメンバーかが分かる。

 角居師はJRAの処分が確定した昨年11月に、SNS上で「二度と同じ過ちは繰り返さないことと、今回応援してくださった皆さまへの償いとして1頭でも多く良い馬を育てるべく、より一層調教師業に邁進(まいしん)したいと思います」とコメント。その「償い」の一歩目がレース復帰初日となる12日の「フェアリーS」(G3)。同レースには、07年日本ダービーなど、G1・7勝を挙げたウオッカの娘タニノミッションを登録している。1勝馬で出走には抽選突破が条件となるが、厩舎ゆかりの超良血馬に注目が集まるのは必至だ。阪神JFでは7着に終わったが、辻野助手は「G1を使った疲れはない。スッと反応して動けるタイプでマイルは合う」と反攻宣言。1歳上の兄タニノフランケルが5日の中山金杯で3着と好走したのも心強い。

 角居師は故郷の石川県で祖母の代から始まった天理教教会を継ぐことを理由に、21年2月限りで引退することを既に表明している。調教師としての活動は実質、残り2年。19年は牡牝クラシック、古馬G1も狙える重厚布陣で巻き返しの年となる。

 ≪昨年7月に酒気帯び運転で逮捕≫角居師は昨年7月6日、滋賀県草津市内で自家用車を運転中にワンボックスカーと衝突。検査の結果、呼気1リットルあたり0.18ミリグラムのアルコール分が検出され、滋賀県警草津署に道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕。JRAは同日、調教停止処分を発表。10月3日に大津簡裁から罰金の略式命令。これを受けJRAは11月7日に裁定委員会を開き、調教停止6カ月(今年1月6日まで)の正式な処分を下した。

 ◆角居 勝彦(すみい・かつひこ)1964年(昭39)3月28日生まれ、石川県出身の54歳。00年にJRA調教師免許取得。01年3月開業。栗東所属。11〜13年に全国リーディングを獲得。JRA通算4922戦693勝、G1・24勝(7日現在)。また、ヴィクトワールピサでドバイワールドCを制するなど海外G1・5勝。16年に引退馬支援を目的に、「サンクスホースプロジェクト」を立ち上げる。

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