【セントウルS】ニードル雨裂くV2!川田と決めた史上2頭目

[ 2018年9月10日 05:30 ]

<セントウルS>雨が降りしきる中、G1馬としての貫禄をみせたファインニードル(撮影・平嶋 理子)
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 春秋スプリントG1獲りへ好発進。サマースプリントシリーズ最終戦「第32回セントウルS」が9日、阪神競馬場で行われ、川田騎乗の高松宮記念優勝馬ファインニードルが1番人気に応えて快勝。史上2頭目の同レース連覇を達成し、スプリンターズS(30日、中山)へ前進した。中山競馬場のサマーマイルシリーズ最終戦「第63回京成杯AH」は1番人気ミッキーグローリーが重賞初挑戦初勝利を飾った。

 力が違った。ファインニードルが残り100メートルで粘る3歳牝馬ラブカンプーを捉えると、後続を突き放して快勝。高松宮記念を制したスプリント界の新王者にとっては休み明けも、重馬場も関係なかった。勝利に導いた川田は、英国遠征から帰国した週にいきなり重賞V。引き締まった表情で喜びを口にした。

 「本当に、いい内容で勝ってくれた。4コーナーの手応えも良くて、これならつかまえてくれるだろうと。直線はダメージを残したくないという思いで、少しずつ動かしました」

 序盤はラブカンプーとネロが激しく競り合い、前半3F通過が33秒3。直前で雨が強くなり、重まで悪化した馬場を考えれば、かなり速いペースだった。川田は冷静にパートナーを好位直後の5、6番手に誘導。「枠(14番)が外過ぎて、どういう流れになるのか意識しながらでしたが、いい形で進んでくれましたし、これなら問題ないと」と振り返った。

 04、05年のゴールデンキャスト以来、史上2頭目となる当レース連覇。昨年はサマースプリントシリーズを連戦したが、今年は春の香港遠征以来4カ月ぶり。さらに58キロを背負い、実績のない道悪のコンディション。高橋忠師は「昨年はここが目標だったけど、今年は向かう方向が違ったし、どれぐらいやれるかなと。正直五、六分の出来だった」と明かした。

 今年国内では3戦全勝。指揮官は「今年のシルクロードS(1着)の前からグッと良くなって、成長を感じていた」と目を細める。香港遠征で14キロ減った馬体も、わずかだが4キロ戻して登場。「パドックの気配も本当に良かった」と愛馬を見守っていた。

 不安だらけの始動戦を快勝し、堂々とスプリンターズSで春秋G1制覇に挑む。川田は「追い切りの時から凄くいい状態ではないと伝えていましたが、それでもこれだけの競馬をしてくれました」とパートナーを称え、「さらにというより、かなり良くなるはず。無事に終えられたのは、自信になりました」と次を見据える。海外帰りの“人馬”でつかんだ重賞Vは、収穫たっぷりの秋初戦になった。

 ◆ファインニードル 父アドマイヤムーン 母ニードルクラフト(母の父マークオブエスティーム)牡5歳 栗東・高橋忠厩舎所属 馬主・ゴドルフィン 生産者・北海道日高町ダーレー・ジャパン・ファーム 戦績26戦9勝(海外1戦0勝) 総獲得賞金3億7805万3600円(海外含む)。

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2018年9月10日のニュース