武豊JRA重賞300勝!シリウスS、アウォーディーで金字塔

[ 2015年10月4日 05:30 ]

シリウスSを制しJRA初の300勝を達成した武豊

 土曜の阪神競馬11R・シリウスS(G3)で、武豊(46)が前人未到のJRA重賞通算300勝の偉業を達成した。3番人気のアウォーディーに騎乗し、直線追い込んで快勝。武豊はきょうのGIスプリンターズSにも同じ勝負服のベルカントに騎乗。301勝目を見据えている。

 メモリアルの瞬間は土曜の阪神競馬場に訪れた。武豊がJRA重賞通算300勝の大記録を達成。前人未到の偉業Vにも、鞍上がアウォーディーの馬上で普段通り涼しい顔を浮かべなが引き揚げてくると、検量室前は祝福ムードに包まれた。競馬界のスーパースターは「(300勝?)立派だと思います。長く乗せてもらって、いい馬にも乗せてもらっているおかげだと思う。素直にうれしいですね」と特別、感極まることもなく淡々と口にした。

 コンビを組んだアウォーディーはダート初参戦だった前走を快勝して重賞に挑戦。道中は中団で流れに乗ると、勝負どころで外に持ち出し進出を開始。直線は先に抜け出した1番人気ダノンリバティを並ぶ間もなく抜き去り、ゴールに飛び込んだ。母は05年の天皇賞・秋馬ヘヴンリーロマンス。良血馬が重賞初制覇を飾り、群雄割拠のダート戦線に名乗りを上げた。今後は放牧を挟み、チャンピオンズC(12月6日、中京)を目標に調整される予定だ。

 武豊も「前回が思っていた以上に強かったし楽しみにしていた。メンバーは強かったけど完勝でしたね。道中も凄くいい感じで、直線に向いてチャンスだなと。ダートでは底を見せていない。まだまだ良くなりそうだ」と高い評価を下した。

 8月23日の北九州記念(ベルカント)で300勝へ王手をかけたが、その後は5戦連続で足踏み。今週は日曜のG1スプリンターズSに出走するベルカントでの記録達成に期待が高まっていた。それでも名手は「日曜の取材ばっかり受けていたが、土曜だったりするんじゃないかなという気もしていた」と確かな“予感”があったと明かした。

 デビューした87年の京都大賞典(トウカイローマン)から29年間、積み上げてきた重賞のタイトル。通算3758勝(3日現在)など数々の前人未到記録を保持するが「特に意識していない。デビューした頃は最年少と言われたが、最近は“最年長”とよく言われるようになりましたね」と自虐ネタを交えて笑いを誘い、「ホンマに通過点ですわ。数字的にも、もっともっと伸ばしていきたい」と先を見据えた。

 きょうのスプリンターズSには、アウォーディーと同じ前田幸治オーナーのベルカントとのコンビでG1獲りに挑む。「あしたも、この勝負服で頑張ります。この前(299勝)がベルカントだったし、301勝目もベルカントならいいですね」と目を細めた。競馬界の“レジェンド”は、どこまでも貪欲に勝利を求めて突き進んでいく。 (寺下 厚司)

 ▼アウォーディー 父ジャングルポケット 母ヘヴンリーロマンス(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・米国ノースヒルズマネジメント 戦績28戦6勝 総獲得賞金1億5591万3000円。

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