【東京新聞杯】マイルに新星!ヴァンセンヌ開花4連勝、重賞初制覇

[ 2015年2月9日 05:30 ]

直線で抜け出したヴァンセンヌが4連勝で重賞初Vを飾る

 東京で行われた「第65回東京新聞杯」は3番人気のヴァンセンヌが差し切り4連勝で重賞初制覇を果たした。

 混戦模様のマイル戦線に、新たな主役が登場した。ヴァンセンヌは父ディープインパクト、母は短距離G1・2勝フラワーパークという超良血。昨年10月の500万から4連勝で一気の重賞初制覇。同時に父へ今年重賞初勝利をプレゼントした。

 前走外を回って引っ掛かった反省を生かした。福永はスタート直後に愛馬を内へいざない、馬群の内で我慢させた。それでも「3コーナーまでは苦労した」(福永)と抑え込むのに必死だった。しかし、同時に「掛かったからって脚が衰えるような馬じゃない」との信念もあった。

 我慢の先には“幸運”が待っていた。直線を向くと、前が大きく空いた。残り400メートル、迷いなく追いだしを開始すると父譲りの切れ味がさく裂。一瞬で馬群から抜け出した。内からフルーキー、大外からはアルフレードが強襲したが、アルフを首差しのぎ切ったところがゴールだった。

 昼前から降り始めた雨も味方した。近2走も同じやや重。松永幹師は「雨が降っていたから、よしって思っていた。楽しみが自信に変わったよ」と振り返り、「最後はヒヤヒヤしたけど、よくしのいでくれた。もともと能力が高い馬ですから」と続け、ミッキースマイルをはじけさせた。

 2度のケガを克服して、6歳でつかんだタイトル。3歳で右前剥離骨折、4歳で右前屈腱炎。屈腱炎は程度は軽かったとはいえ、復帰までに1年7カ月を要した。「よくここまで立ち直ってくれた。牧場、厩舎スタッフのおかげ」と鞍上も感謝の言葉を並べた。

 これで東京芝1600メートルは2戦2勝。春は1戦使ってから同舞台で行われる安田記念(6月7日、東京)へ。「掛かり癖、高速馬場への対応が鍵になるが、楽しみ」と福永が話せば、「脚元さえ無事にいってくれればいいね」とトレーナー。4カ月後の決戦舞台へ、早くも視線を向けていた。

 ◆ヴァンセンヌ 父ディープインパクト 母フラワーパーク(母の父ニホンピロウイナー)牡6歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績11戦6勝 総獲得賞金9650万6000円。

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2015年2月9日のニュース