【きさらぎ賞】1番人気ルージュバック無傷3連勝!51年ぶり牝馬V
春のクラシックを占う「第55回きさらぎ賞」が8日、京都競馬場で行われた。1番人気に推された牝馬のルージュバックがデビューから無傷の3連勝で重賞初V。メンバー最速の上がりを繰り出し、圧巻の内容で牡馬をも完封。桜花賞の最有力候補に躍り出た。
【レース結果】
東の大物牝馬ルージュバックが初めての関西圏輸送、右回りを難なくクリアしてクラシックへの道を切り開いた。関西の素質馬がそろった中の危なげない勝ちっぷり。これまでの後方から差しのスタイルとは違う3番手からの競馬。重賞Vに導いた戸崎はレースを振り返りながら走りを絶賛した。
「スタート次第で決めようと思っていましたが、休み明けの分、気が入っていましたね。でもすぐ我慢できましたし、手応え十分で反応も良かった。(馬体重450キロで)そう大きくはないんですが、全身を使って走る。素晴らしいパフォーマンスでした」
3番手でも折り合いを苦にすることはない。直線に向いてから追いだすと、すぐさまエンジンがかかり、外で食い下がるポルトドートウィユを突き放した。上がり3Fは34秒4でメンバー最速。前々でこの末脚を繰り出せるのだから、文句なしのパフォーマンスだ。
きさらぎ賞において、牝馬が勝ったのは64年のフラミンゴ以来51年ぶりとなるが、この時はダート1200メートルの施行。実質70年から芝で行われるようになってから史上初の快挙だ。1番人気での重賞Vに大竹師の表情にも笑みがこぼれた。「(京都競馬場に着いてからも)カイバ食いが良かったし、右回りも大丈夫だった。あの位置で壁がなくても、折り合って競馬ができたのはかなりの収穫」。7日の牝馬限定のエルフィンSではなく、このレースで走らせたのは「牡馬相手にはなるが、ゆったりしたペースの中で競馬させたかった」と説明した。牝馬の枠にこだわらず柔軟な発想でレースを選択し、結果を出したことで可能性は広がるばかりだ。今後については「僕だけじゃ決められない。これから考えます」。桜花賞(4月12日)を視野に入れているが、まだ決定事項ではない。
賞金加算に成功し、除外の心配は消えた。桜花賞だとしたら「今までと違って多頭数。距離も短くなるしね」と課題を挙げるが、ここまでのレースぶりを見れば大きな不安材料にはならない。名牝の可能性を秘めた大物が、まずはクラシック獲りに挑む。
◆ルージュバック 父マンハッタンカフェ 母ジンジャーパンチ(母の父オーサムアゲイン)牝3歳 美浦・大竹厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金5430万4000円。
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