長塚引退 アテネ五輪銀、輪界スター 昨年5月から自粛欠場中

[ 2015年1月28日 05:30 ]

アテネ五輪のチームスプリントで銀メダルを獲得した(左から)長塚、伏見、井上

 競輪のトップ選手、長塚智広(36=茨城・81期)が現役引退の意向を固めたことが27日、関係者の話で分かった。28日、都内で会見を行う。

 長塚は茨城の取手一高出身で、1998年に競輪デビュー。五輪では04年アテネ五輪の自転車競技・チームスプリントの第1走者として伏見俊昭、井上昌己と共に銀メダルを獲得した。世界レベルのダッシュ力を武器に本業の競輪でも11年12月、G1・小倉競輪祭を優勝。タイトルホルダーの仲間入りを果たすと、11~13年、3年連続でグランプリの舞台を踏んだ。

 マルチな才能を誇り、本業以外にも積極的に進出。09年の茨城県知事選、翌10年の参院選に立候補。ともに落選したが、大いに話題を集めた。また、早大大学院スポーツ科学研究科にも通い、趣味の株では本を出版するほど。テレビ番組への出演も多かった。

 ただ、昨年5月から競輪は自粛欠場中。13年12月に長塚ら18人(後に23人)が日本競輪選手会から脱会を表明し、新選手会(SS11=エスエスイレブン)を立ち上げたためだった。昨年3月に制裁処分が決定したが、6月に制裁が一部軽減され、8月から18選手が復帰。しかし、1年間自粛(昨年5月~今年4月)の処分を受けた長塚は、軽減もなくそのまま自粛欠場を続けており、実戦から遠ざかっていた。

 最後は残念な形で現役引退を余儀なくされたが、特異な才能に恵まれた長塚。今後の活動が注目される。

 ◆長塚 智広(ながつか・ともひろ)1978年(昭53)11月28日、茨城県生まれの36歳。第81期生として日本競輪学校入学。98年、取手競輪場でデビュー。五輪には00年シドニーからアテネ、北京と3大会連続出場。アテネでチームスプリント・銀メダル。09年茨城県知事選、10年参院選に立候補も落選。11年早大大学院スポーツ科学研究科・トップスポーツマネジメントコースに入学し、翌年修了。競輪では959戦302勝。通算4億9779万9100円を獲得。1メートル81、92キロ。血液型A。

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