【凱旋門賞】世界制覇へ地元仏の強敵3歳 エクト&アヴニール

[ 2014年10月1日 05:30 ]

日本馬3頭の前に立ちはだかる地元・フランスの3歳馬エクト

 日本馬の悲願の前に、地元フランスの3歳馬が立ちはだかる。前哨戦のニエル賞を制したエクト(牡)と6戦無敗のアヴニールセルタン(牝)。エクトの主戦騎手グレゴリー・ブノワ(31)、管理するエリー・ルルーシュ師(62)、そしてアヴニールの騎乗が決定したクリストフ・ルメール(35)を直撃。大一番への意気込みと、日本馬の印象を聞いた。

 凱旋門賞は地元フランス勢が過去92回で65勝と圧倒的に強い。そして重量の軽い3歳馬が58勝と大きなアドバンテージを持っている。まずはブックメーカー各社が2番人気に支持しているエクト。前哨戦のニエル賞を休み明けで快勝し現在6連勝中だ。デビュー戦から手綱を取り続けるブノワが意気込みを語った。

 「調教にも乗っているが、休み明けを使った上積みは大きい。直線の爆発力が最大の強み。速い時計にも重い馬場にも対応できる。無事に走れば結果はついてくる」。ブノワはもう1頭のV候補アヴニールセルタンの主戦でもあったが「エクトの方が繊細な馬。ずっと乗って馬のことを知っている僕が乗った方がチームのため」と、迷いなくエクト騎乗を選択した。

 ライバルとなる日本馬についても研究している。「ジャスタウェイはドバイのレースができれば勝てる存在。ハープスターは札幌記念の瞬発力が凄かった。チャンスは十分あると思う。ただ、僕の馬もいい勝負になるよ」

 エクトを管理するルルーシュ師も「馬の状態はトレビアン。言うことない」と自信満々。「日本でも注目されている?当然、それだけの価値がある馬だ」。96年凱旋門賞をエリシオで制している名伯楽の鼻息は荒い。日本馬3頭も「調教場で毎日見ている。どれもいい馬だ」と警戒した上で「ハープスターは遠征疲れなのか、少し毛ヅヤが悪く見える」と分析している。

 ブノワに代わってアヴニールセルタンの手綱を任されたのが、日本でもおなじみのルメール。6戦無敗の仏オークス馬への騎乗依頼を受け「大きなチャンス。とてもハッピーだよ。加速力が凄い馬。距離も心配ない」と意気込む。

 日本馬については同じ3歳牝馬のハープスターをライバル筆頭に挙げた。「瞬発力という点でアヴニールに似ている。それとやはり54・5キロで出走できるのは大きいよ」。他の2頭についても「もちろん勝てる能力がある」とした上で、課題も口にした。「ジャスタウェイはこれまでのパフォーマンスを見る限り2000メートルがベストの印象。ゴールドシップは(位置取りが)前か後ろかの極端な競馬が多い。ロンシャンの馬場は合うと思うが、レース当日の気持ち次第ではないか」

 ブノワもルメールも凱旋門賞は未勝利。両騎手ともに日本に滞在経験があり「日本馬は常に応援している」と口をそろえるが、今年ばかりは主役の座は譲れない。開催国の意地とプライドを懸けた激突は見逃せない。

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