【エルムS】ローマンレジェンド 骨折乗り越え復活レコードV!

[ 2014年7月28日 05:30 ]

直線での叩き合いを制したローマンレジェンド

 新装・札幌競馬場で行われた「第19回エルムS」は3番人気の岩田騎乗ローマンレジェンドが差し切って優勝。自身の持つレースレコードを0秒3塗り替える1分41秒9(ダート1700メートル)のタイムで一昨年に続く同レースVを飾った。

【レース結果】

 無敵の6連勝を飾った伝説の脚力がよみがえった。豪雨で煙る直線。ローマンレジェンドの黒光りする馬体が粘るクリノスターオーに並びかける。外から力任せに頭差ねじ伏せると、新装スタンドから見守った藤原英師が「完全復活だ」と声を振り絞った。

 「大きな頭差だった。この勝利で次につながる」。デビュー19戦のうち15戦の手綱を取った主戦・岩田が泥だらけになった勝負服を拭いながら白い歯を浮かべる。「稽古でも手応えを感じていたが、実戦に行っても落ち着き払った走りをしてくれた。厩舎一丸となって復活に懸けてきた努力が実を結んだ」と続けた。

 6連勝を経て12月の交流G1東京大賞典制覇で締めくくった一昨年から暗転。昨年は4連敗を喫した末に連覇を狙った師走の同レース(6着)ではゲート内で暴れて左後肢を骨折。2年の間に栄光と挫折を味わった。「このまま終わるわけにはいかない」。藤原英師は完治を待って馬体を一から立て直した。「昨年は長い戦いで目に見えない疲労が蓄積したのだろう。競馬で気持ちが逃げていた。心と体は一対だから。でも、休養を取って心と体が戻ってくれた」。昨年は嫌気を差して失速していた勝負どころの3コーナー。この日は別馬のようにハミをかんで闘争心をむき出しにした。直線では一昨年の宙に浮くようなフットワーク。エスポワールシチーと死闘を繰り広げて重賞初制覇を飾ったレースで復活を果たした。

 「実はね、前日(風邪で)38度の熱があったんだが、この優勝を見ていっぺんで良くなった」と笑う同師。もちろん、次の標的は念願のJRA・G1タイトルだ。「JCダート(今年からチャンピオンズCに名称変更=12月7日、中京)を3度目の正直で狙っていく。そのためにどのレースを挟んでいくか…。ここまで来たら、G1しか頭にないよ」。よみがえった伝説の脚力。師走の大一番へ夢が広がる。

 ◆ローマンレジェンド 父スペシャルウィーク 母パーソナルレジェンド(母の父オーサムアゲイン)牡6歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・太田美実氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績19戦10勝(うち中央15戦9勝) 総獲得賞金3億556万8000円。

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