【中京記念】サダムパテック大外一気!12年マイルCS以来の復活V

[ 2014年7月28日 05:30 ]

ゴール前の混戦をハナ差で制したサダムパテック(手前)

 東西でG1ホースが復活だ。サマーマイルシリーズ開幕戦「第62回中京記念」が27日、中京競馬場で行われた。7番人気の田中勝騎乗サダムパテックが豪快に追い込み、12年マイルCS以来10戦ぶりとなる勝利で5度目の重賞制覇を飾った。

【レース結果】

 最終週の荒れた芝で、しかもやや重。ズッシリこたえたはずのトップハンデ58キロをサダムパテックがはね返した。メンバー中、唯一のG1馬がゴール前で底力を誇示するかのようにグイッとひと伸び。2着ミッキードリームと鼻差の接戦を制してゴールへ。引き揚げてきた田中勝は真っ先にパートナーを称えた。

 「これまで2回、乗せてもらって地力があるのは分かっていた。具合もいいと聞いていたしね。ハンデ58キロを背負っていたけど、さすがG1馬。ゴール寸前でかわすのは力の証だよ」

 中京の芝はイン優勢だった前日とは一転、この日は午前中に降った雨の影響もあってラチ沿いのコンディションが急激に悪化した。15番スタートから道中は終始、馬群の外。体力の消耗を避けながら後方グループでじっと脚をタメた。直線も迷わず進路を外へ。初コンビ結成から3戦続けて手綱をとった田中勝のリードがキラリと光った。

 一昨年のマイルCSを制したほどの実力馬がその後はまさかの9連敗。いつも状態はいいのに、なかなか結果につながらない。西園師が能力を再確認したのは前走・安田記念。7着とはいえ極悪の不良馬場にもめげずに後方から伸びてきたレースぶりに復活の兆しがあった。負け続けたままでは終われない。その一心で西園師は仕上げてきた。

 「きょうはカツハル(田中勝)に任せていた。前走もいい脚を使っていたのに、なんで人気がなかったのかな(笑い)。やっぱり実績が違ったね。この馬には頭が下がる思いだよ」

 来月17日のサマーマイルシリーズ第2戦・関屋記念は別定60キロを考慮して見送ることはレース前から決定済み。まさに全力投球で臨み、結果にこだわった一戦だった。今後は栗東近郊のノーザンファームしがらきへの放牧を挟み、次走は未定ながら秋はマイルCS(11月23日、京都)や香港マイル(12月14日、シャティン)が目標になる。真夏の激戦を制しG1馬が完全復活、秋のマイル戦線が楽しみになってきた。

 ◆サダムパテック 父フジキセキ 母サマーナイトシティ(母の父エリシオ)牡6歳 栗東・西園厩舎所属 馬主・大西定氏 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績26戦6勝 総獲得賞金4億1063万7900円。

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