キスミープリンス、王子から大将へ

[ 2014年5月2日 05:30 ]

円熟期を迎えたキスミープリンスと小久保師

 【地方競馬です!!】浦和生え抜きの頼もしい存在が完全復活だ。4月15日、川崎11Rでキスミープリンス(牡6=浦和・小久保)が2歳の鎌倉記念以来、約3年7カ月ぶりとなる勝利を挙げた。

 川崎2100メートルの長丁場。好位4番手を追走し、最後の直線は早め先頭。積極策で後続の追い上げをしのいだ。「折り合いはつくし長い距離の方が乗りやすい」と手綱を取った坂井騎手。14日のS2「大井記念」へ向け、弾みがつく内容だった。

 3歳時には浦和所属として10年ぶりの東京ダービー出走(3着)を果たすなど、3冠戦にフル参戦。浦和をけん引する大将候補と期待された。だが、古馬になってからの道のりは険しく、左前球節の不安で11カ月休養するなど足踏みも経験した。そんな浦和の“王子”も、トレードマークのワイルドな長いたてがみが似合う6歳の円熟期を迎えた。「今年に入って球節を気にしなくなった」と小久保師が話すように、強さを増している。前走後は福島県のテンコートレーニングセンターで坂路を乗り込み2年半ぶりの重賞参戦へ、キバを研ぐ。

 今年から大井記念が2000メートルに変更になった。輝きを放った3歳3冠戦と同じ舞台だ。大舞台への返り咲きを自ら引き寄せる久々の勝利。王子から大将へ――。5月の新緑がグンと葉を伸ばすように、キスミーも躍進の季節を迎えている。 (秋田 麻由子)

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2014年5月2日のニュース