【東京新聞杯】ホエールキャプチャ完勝 得意舞台で白い馬体舞った!

[ 2014年2月18日 05:30 ]

強い競馬で東京新聞杯を制し、重賞5勝目を挙げたホエールキャプチャ

 降雪順延で代替開催となった17日東京競馬のメーン「第64回東京新聞杯」は中団を進んだ8番人気ホエールキャプチャが力強く伸び、昨秋府中牝馬S以来の重賞5勝目を達成。出走予定だったサトノシュレン、リルダヴァルの関西馬2頭は栗東~東京の輸送が長時間かかった影響による輸送熱で出走を取り消した。

【レース結果】

 8番人気の6歳牝馬が牡馬をなで斬りにしての完勝。ホエールキャプチャの鞍を手に検量室に引き揚げてきた蛯名の顔が紅潮している。「牝馬が57キロもの重量でこんなに強い競馬をするなんて…。いや、びっくりした」と驚きの声を上げると、「このコースがよほど合っている。そうとしか思えない」と続けた。

 東京のマイルは重賞初制覇を飾ったクイーンC、念願のG1制覇を達成したヴィクトリアマイルの舞台。コースの周囲に積もる雪のように白さを増した芦毛がフワフワとした遊んでいるような脚取りで向正面を進む。4コーナーでは後方10番手。蛯名がハミをかけた途端に四肢に力がみなぎった。大海で潮を吹き上げる白鯨のように、すさまじい闘志を発散させて牡馬勢に襲いかかる。1キロ軽い牡馬エキストラエンドを外から力任せに1馬身ねじ伏せた。

 「馬場がいい外めをなるべく走らせようと思っていたが、それにしても…。道中はモコモコしていたのに、行きだしてから凄いんだ。このコースだけは安定感がある」。レースを振り返る蛯名の傍らでは田中清師も「東京マイルはコーナーが2つで戦いやすいんだろうね。馬自身がコースを分かっている感じだ」とコース適性を強調。「それにしても偉い。6歳でここまでやれる牝馬はなかなかいない」と愛馬を絶賛した。

 災い転じて福となすという。降雪で9日の開催が中止になったため、8日遅れのゲートイン。ホエールキャプチャにとっては追い風になった。「先週は動きがピリッとしなかったのに、1週待たされて気合が乗ってきた。よけいに調教ができたのは大きかった」と同師は言う。

 「見る目がなくてすみません」。レース前に57キロの極量を悲観していた蛯名の思惑をはるかに越えるV走。今後はヴィクトリアマイル(5月18日)から安田記念(6月8日)へ。「このコースのG1を戦うために(引退させず)残している」(同師)。白鯨が再び潮を吹き上げる舞台だ。

 ◆ホエールキャプチャ 父クロフネ 母グローバルピース(母の父サンデーサイレンス)牝6歳 美浦・田中清厩舎所属 馬主・嶋田賢氏 生産者・北海道新ひだか町千代田牧場 戦績23戦7勝 総獲得賞金4億8254万2000円(戦績、賞金共に地方含む)。

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