尾形和厩舎の“あまちゃん”バトルジェジェジェ、11・16初陣

[ 2013年10月30日 06:00 ]

「あまロス」のみなさんバトルジェジェジェで楽しんでください

 じぇじぇじぇ!!おら、“あまロス”のみんなに元気を届けるぞ!!NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒロイン、天野アキの口癖から馬名を取った、その名も「バトルジェジェジェ」(牝=尾形和、父ステイゴールド)が、美浦でアキばりに猛特訓中。デビュー戦も11月16日の東京5R新馬戦(牝馬、芝1600メートル)と決まった。そのセンスの良さには宮川秋信オーナー、育成・調教スタッフも「じぇじぇじぇ!!」。ターフのアイドルの座がもう見えた!?

 アキが驚いた時に言っていた「じぇ!」。もっと驚くと「じぇじぇ!」。最大限の衝撃なら「じぇじぇじぇ!!」と3つ重ねる。バトルジェジェジェは、まさに驚き×3のヒロイン候補だ。

 同馬の名付け親、宮川秋信オーナー(都内で動物クリニック経営)が自宅のテレビの前で「これだ!」と膝を打ったのは、ヒロイン・天野アキが「じぇ!」の3連発を口にした時だ。「私もこの馬を初めて見た時、驚きの3連発だったんだよ」

 “バトル”の冠名で知られる同オーナーが、北海道新冠の育成場、小国ステーブルで同馬の姿に触れたのは、「あまちゃん」放送開始直前の今年3月。420キロと小ぶりでも均整の取れた美しい馬体。紅葉型の流星が愛くるしい顔立ち。育成場の評価も非常に高かった。「素質馬の行き先が大抵決まってしまう2歳春に、まさか、こんな素晴らしい馬が残っているとは」。オーナーは購入を即決した。

 その後も育成スタッフが「じぇ!」と驚く動きを見せてきた。「蹄音が響かないくらい動きが滑らか。今年、うちで育成させてもらった約60頭の2歳馬の中でも出色でした」。そう振り返るのはラブミーチャン(09年全日本2歳優駿)、サクセスブロッケン(09年フェブラリーS)の育成も手掛けた同ステーブル・小国和紀代表だ。9月には1戦未勝利で故郷に帰った母“ジェ”イドストリークの果たせなかったアイドルへの道を目指して美浦へ。オーナーは取っておきの馬名を申請し、無事、「じぇじぇじぇ!!」が馬名となった。

 体つき、走りに加え、「じぇ!」がもうひとつあった。「ステイゴールドの牝馬なのに、とても素直なんです」。尾形和師は気の荒さで知られるステイゴールド産駒らしからぬ気性に驚きの声を上げた。

 「うちの“あまちゃん”、かっこよく撮ってくださいよ」。吉沢助手ら厩舎スタッフに愛称で呼ばれるアイドル候補。「競馬場でファンの方々にも“じぇじぇじぇ!!”と驚いてもらいたいね」。宮川オーナーの願いを背負って、潮騒のメモリーロードを行く。

 ▼あまちゃん 今年4月1日から9月28日まで放送されたNHK連続ドラマ。宮藤官九郎が脚本を手掛け、期間平均視聴率は20・6%。主人公は能年玲奈演じる東京の女子高生・天野アキ。北三陸に行き、海女を目指すが、思わぬことから地元アイドルに。東京に帰りアイドルグループの一員として活動しているところに東日本大震災が発生。再び舞台を北三陸に移し、復興に向け奮闘する姿を描いた。「じぇじぇ!」は岩手県久慈市小袖地区の方言で驚いた時に使い、目下、今年の流行語大賞最有力候補。放送終了後は喪失感から「あまロス」に陥る人が続出するなど、いまだに社会現象を巻き起こしている。

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2013年10月30日のニュース