【フローラS】ラストグルーヴ、良血開花!3世代オークス制覇へ

[ 2013年4月16日 06:00 ]

キャリア1戦ながら注目のラストグルーヴ

 春の東京開幕を告げるオークストライアル「第48回フローラS」(3着まで優先出走権)が今週のメーン。桜花賞、皐月賞と東が制した勢いに乗って東の強者がそろったが、その流れに待ったをかけるのが西の超良血ラストグルーヴだ。キャリア1戦で抽選対象(15日現在16分の12)ながら出走できれば注目度No・1の逸材。母エアグルーヴ、祖母ダイナカールに続く3世代のオークス制覇へ向け、東上する。

【フローラS】

 父ディープインパクト×母エアグルーヴ。日本が誇る超良血ラストグルーヴは新馬戦最終週の先月16日、阪神でベールを脱いだ。

 スタートを決め、6番手を追走。残り600メートル過ぎから鞍上・福永の手が激しく動いた。反応がない!?馬群にのみ込まれるかと思われたが、ラスト1Fで眠っていたDNAが覚醒。一気に加速、突き放した。鞍上は「エンジンが違った」と驚きの表情を浮かべた。

 11年セレクトセールで3億6000万円(税抜き)で取り引きされた。祖母ダイナカールは83年オークス馬。母エアグルーヴはG1・2勝馬。きょうだいにアドマイヤグルーヴ(G1・2勝)、ルーラーシップ(12年クイーンエリザベス2世C)。ワールドレベルの血統背景を持つが、この血統には体質面での弱さがつきまとう。非凡な能力を開花させず引退した兄姉もいた。

 このきょうだいが藤原英厩舎に所属するのは初めて。「ルーラーシップもツメが良くなかったと聞いているし、きょうだいには体質が弱い馬が多かったらしい」と語る担当の杉本助手は細心の注意を払い、デビューまでこぎつけた。

 10日の1週前追いはダートの猛者ローマンレジェンドと併せて首差先着。「使って体が締まってきたし動きも良くなった。心肺機能が優れていて、追い切り後もケロッとしているんだ」

 09年フェブラリーSを制したサクセスブロッケンを手掛けた腕利きをうならせる逸材だ。キャリア2戦目で、母、祖母が制したオークスの出走権を獲れれば、夢は大きく膨らむ。「値段もやけど、血統も日本のトップレベルだし、何とか無事にいってほしい。プレッシャーだらけですね」。杉本助手にとって眠れない日々は、まだ始まったばかりだ。

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2013年4月16日のニュース