【賞金女王決定戦】三浦が初代クイーンに!悲願のG1初優勝

[ 2012年12月17日 06:00 ]

シャンパンファイトで喜ぶ三浦

 “テクニカルエリー”が会心のまくり差しで初代ウイナーに輝いた。ボートレース大村で開催されていたG1「第1回賞金女王決定戦」は三浦永理(29=静岡)が3コースから鮮やかなハンドルワークで大本命の田口節子を破って悲願のG1初優勝。田口は2着に終わった。また、シリーズ戦は池田浩美がV。静岡勢のアベック優勝となった。節間売り上げは目標の70億円を大きく上回り90億円を超えた。

 勝ったのは賞金トップの田口ではなく、百戦錬磨の日高でもなかった。これがG1初優出となる三浦だった。スタートでわずかに立ち遅れた田口が強引に先マイ。差しに構える日高を引き波に沈めながらの鋭いまくり差し。「いつもの気持ちで臨めたが、先頭に立った後は緊張してハンドルが入らなかった…」。事の重大さに気がついた三浦は最後まで気を抜かず栄光のゴールを目指した。

 やまと学校の成績は勝率4・25、リーグ戦優出なし。「クビになりそうだった」と語る三浦だが、21歳でSGを制した服部幸男を師匠に持ち、恵まれた環境で成長を遂げた。「静岡支部の先輩たちの取り組む姿勢を見てここまで来られた」と振り返る。

 ただ、G1の壁は厚く女子王座では準優出まで。今年の新プロペラ制度でさらに苦戦。課題を残したままの参戦だったが、評判のエンジンを引き当て前検日の試運転1周目で「行ける」と直感するほどの強パワーに恵まれた。「私には実績がない分、プレッシャーは感じず素直にうれしかった」。挑戦者である立場が好結果を呼び込んだ。

 選手仲間からは不評だったという“テクニカルエリー”のニックネーム。今回のターン技術ならば誰も文句は言うまい。そして「こんなにいい足を知ってしまったのだから、これからは妥協することなく今回の足を目標に調整をしていきたい」。反省を踏まえ、ワンランク上の走りを約束した。

 ◆三浦 永理(みうら・えり)1983年(昭58)2月2日生まれの29歳。静岡支部所属の91期。師匠は服部幸男。女子レーサーながら賞金王シリーズ戦2回、ダービー、総理杯各1回と男子相手のSG経験を誇る。女子王座などG1の優出はなかったが、今年から始まった賞金女王決定戦でG1初優出初V。通算成績は2388戦630勝、17V。同期に長嶋万記、山口剛ら。

 ≪田口2着も賞金1位キープ≫1号艇で人気を背負いながらまくり差しを食らった田口だが、悔しさは顔には出さなかった。「Sは全速。乗り心地は良かったけど、エンジンはやっぱり劣勢でした」とエンジン差を口にした。ただ、準Vで賞金は4189万7000円。三浦の3948万8500円を抑えて賞金1位はキープしている。今後はまたF休みに入るが、リフレッシュ期間を終えた後は再度、頂点を目指して戦い続ける。

 角ひとみ(3着)自分ではいいSを行けたと思ったけど…。差し場もあったしエンジンは良かったです。

 香川素子(4着)足は変わらず良かった。落ち着いてレースができた。満足できている。来年も頑張ります。

 山川美由紀(5着)Sでためすぎた。いろいろやって足は少し良くなっていた。来年も12人に入れるように。

 日高逸子(6着)3番(三浦)を気にしすぎましたね…。普通に回っていれば良かったかも。

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