【阪神JF】“2歳戦血統”(外)ラトゥナ完成度で勝負

[ 2012年12月5日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=4日】2歳戦で圧倒的に外国産馬が強い時代があった。グラスワンダー、エイシンプレストン…。来年3月に30歳となる岡崎の脳裏に焼き付いているのは、ダンチヒ産駒アグネスワールドの筋肉量豊富な馬体だ。

 しかし、近年は内国産馬の質が向上。(外)勢力は縮小傾向にある。93年ヒシアマゾン、94年ヤマニンパラダイスと外国産馬が連覇した阪神JF(当時は阪神3歳牝馬S)も、06年ローブデコルテとコスモベルを最後に5年連続で出走すらない。そんな中、6年ぶり出走となる(外)がエイシンラトゥナだ。

 米盛助手は外国産馬らしい仕上がりの早さを口にする。「まだまだ成長を見込める馬だが、米国血統らしく体が大きく、完成度は高い」。2歳戦で稼がなければいつ稼ぐ、と言う血統的バックボーンの持ち主だ。父イクスチェンジレイトは今年の英仏2歳短距離王レックレスアバンダンを輩出。祖母の全姉プレザントステージは、米G1・ブリーダーズCジュヴェナイルFを制し、米最優秀2歳牝馬に輝いた。

 ラトゥナの武器は完成度だけではない。レースセンスも特筆ものだ。「前走のアルテミスSは4着も、ハナにこだわらずに我慢ができた。収穫はあった」。初めての控える競馬で大崩れしなかった点を米盛助手は評価した。今回、休み明け2戦目で上積みが期待できる。

 「1回使った方がいいタイプ。動きが柔らかくなっていて、気持ちの部分も、いい意味でガス抜きができた。前走は決め手勝負で一気に離されたが、もうひと踏ん張りできそうな感じ。2連勝だけで終わる馬じゃないよ」

 完成度の高さと大幅な上積み。その答えは「18年ぶりの外国産馬V」かもしれない。

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2012年12月5日のニュース