【阪神JF】サンブルエミューズ 津村悲願G1奪取へ

[ 2012年12月5日 06:00 ]

阪神JFでG1初Vを狙う津村騎手

 2歳女王決定戦「第64回阪神JF」(9日)は空前の混戦。4日、栗東滞在中の関東馬サンブルエミューズに、美浦から新パートナーの津村明秀(26)が駆けつけ、キャンターに騎乗。2連勝中の底知れない脚力にホレ込んだ。

【阪神JF】

 火曜朝、栗東坂路を駆け上がるサンブルエミューズの背に津村の姿があった。先週末に新コンビが決定。居ても立ってもいられず、週初めからパートナーの元へと駆けつけた。初めての感触を味わいつつ、丁寧に折り合いをつけて4F67秒0。5日の最終追いに向け、理想的な時計を刻んだ。

 津村の目は輝いていた。栗東での調教騎乗はトーセンベニザクラ(桜花賞)の最終追い以来、2度目。「思った通り、本当にいい馬。全休明けなのでテンションが高くなるかと思っていたが、普通キャンターでもコントロールが利く。なかなかないチャンス。日曜(9日)の中山の騎乗依頼を何鞍かお断りしたが、それだけ価値のある馬です」

 香港遠征中の岩田に代わるピンチヒッター。大一番での指名は、昨夏を境に加藤征厩舎から騎乗依頼が増えた縁だ。ハングリージャック(5歳1000万)やブルーメリディアン(3歳500万)で白星に貢献。鞍上は「昨年の北海道あたりから、多くの馬に乗せてもらえるようになった。お世話になっている厩舎でG1に挑めるのはうれしい。岩田さんからは、めちゃくちゃ乗りやすい馬で反応通りに伸びると聞いている」

 前走・芙蓉Sは3F33秒9の剛脚で大外一気。その後は先月16日に早々と栗東入りし、盤石の態勢を整えている。「栗東坂路は美浦よりこう配がきついが、今は慣れて軽く上がっている。力勝負になる阪神マイルは、この馬に向く。先週の酒井さんのように、G1初制覇の流れに乗れれば」

 15年目でジャパンCダートを制した酒井の大仕事は9年目、26歳の津村にも大きな励みになった。10月26日に一般女性と婚姻届を提出した。自己最高38勝(07年)に迫る33勝(4日現在)と白星も順調に伸ばした。公私に充実した1年の締めくくり。津村が燃えている。

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