【マイルCS】アポロン“新兵器着用”で連覇の期待

[ 2012年11月14日 06:00 ]

マイルCS連覇を狙うエイシンアポロン

 秋のマイル王決定戦「第29回マイルCS」(18日、京都)は混戦模様。今年4戦全敗で評価ダウンの前年優勝馬エイシンアポロンが新兵器のチークピーシーズ着用で一変をもくろむ。週末は雨予報もあり、史上6頭目の連覇の期待が膨らむ。

【マイルCS】

 歓喜のG1初制覇から1年。深い暗闇に迷い込んだエイシンアポロンが“新兵器着用”で復権に燃えている。今年4戦は全て2桁着順。松永昌師は「春は筋肉痛などもあって、あれでリズムが狂ってしまったが、今秋は調教の動きもいい。体はどこも悪くないんだ」と思案顔で切り出した。

 確かに春のマイラーズC(14着)、安田記念(15着)には明らかな敗因があった。始動予定だった2月中山記念を背中の筋肉痛で自重し、ドバイ遠征も断念。体の変調が春シーズン最後まで尾を引いた。対照的に秋2戦(毎日王冠12着、スワンS14着)は原因不明。他馬より重い別定58キロを背負ったにせよ、本来の粘り強い走りではなかった。

 そこで指揮官はチークピーシーズ着用を決断した。顔の両側に着用し、横や後方の視界を遮断することで集中力をアップさせる作戦。しかも、普段の坂路ではなく、走行距離の長いCWコースを14日の最終追いで使う。「恐らく、体調面ではなく、馬の気持ちの問題だと思う。最終追いはジョッキー(池添)を乗せ、初めてチークピーシーズを着ける。体も絞りたいので下で追う予定。これで何とかきっかけをつかんでくれれば」と師は最善を尽くす。

 アポロンの復活を後押しする材料は山ほどある。先週の京都は雨中でレース開催され、得意の荒れた馬場にシフト中。一緒に皐月賞を走った同期5歳エイシンフラッシュが天皇賞・秋で復活を飾ればエリザベス女王杯では同期レインボーダリアがG1初制覇。“最強世代”が輝きを取り戻しつつある。「速い持ち時計がない分、馬場が荒れて、時計が掛かってくれればいい。舞台もぴったりだし、変わる余地はある」と師は力強く結んだ。レース前日の17日は恵みの雨予報。マイルCS連覇は5頭いるように、リピーターが強いのも追い風だ。雨上がりのやや重馬場に躍った昨年の再現は夢ではない。

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