【菊花賞】スカイディグニティ 穏やかに友道師「菊は距離適性」

[ 2012年10月19日 06:00 ]

夜明け前、厩舎周りを運動するスカイディグニティ

 【G1ドキュメント=18日】世間話も仕事だ。坂路スタンドで熱烈G党、橋口師と野球談議。続いて、音無師を中心に政治談議。両御大が自厩舎に引き揚げると、その真ん中に座る友道師がポツンと残された。さあ取材。上岡はスカイディグニティの話に耳を傾けた。

 「けさ(18日)は引き運動1時間。落ち着いて、体の張りもある」。穏やかな口調、飾りのない言葉に、師の実直な性格がにじみ出る。「菊と言えば距離適性。出来だけではカバーできない。ウチの馬には、それがある」

 そして、「そこの馬の次くらいに向くのでは?」。指さした空席は普段、須貝師が座る席。皐月賞馬に一目置くと同時に、ライバル心も垣間見えた。

 そのゴールドシップの鞍上・内田は、牝馬3冠戦(全て2着)をヴィルシーナで共に戦った仲。しかし、「今度はウチパクさんを負かしにいかないと」。手綱を託すメンディザバルは「昨年、ヴィルシーナに乗ってもらった(エリカ賞1着)からね」と信頼厚い。外国人騎手にしては珍しく「フワッと乗って折り合いを付けるタイプ」との見方。長丁場には向く乗り方と言える。

 最後に作戦は?と聞いた。師は穏やかな口調を崩さず、こう語った。「ああ乗れ、こう乗れとは言わない。癖のない馬だから何も言うことはない。僕のいつものスタンスです」。言葉の端々から手応えがにじむ。静かなる闘志を胸に、決戦へと向かう。

続きを表示

2012年10月19日のニュース