【菊花賞】繰り上がりフジマサエンペラー 強運生かせる持久力

[ 2012年10月19日 06:00 ]

繰り上げ出走となったフジマサエンペラー

 美浦にダービー馬回避の報が届いたのは枠順発表のわずか4時間前、午前10時すぎ。繰り上がり出走可能となったフジマサエンペラーの菊川師はブリランテ陣営を気遣った。

 「菊花賞ではウチの馬が1頭だけ抽選で除外になったことがあった。滑り込みセーフかな。前走(オクトーバーS2着)もハナに行って頑張った。距離は大丈夫。ぜひ走らせたいと思っていた」。3年前、九十九里特別(1000万)を勝ち、態勢万全だった期待馬ロードアイアンが、7分の6の抽選をクリアできず落選。勝ち馬は、同賞金で抽選を突破したスリーロールスだった。

 エンペラーの賞金順は19位、次点。自己条件の甲斐路Sに登録しつつ、夢を捨てずに17日、追い切りを済ませた。「春は1度使うと疲れが出やすかった。今は中1週でもきちんとやれる。ひと夏越して、体がしっかりした」と指揮官は出来に太鼓判を押す。

 昨秋の東京スポーツ杯2歳Sではブリランテに続く2着。父は有馬記念2勝などG1・4勝のシンボリクリスエス。母チューニーはオークス2着。スタミナの裏付けは十分だ。「(8日の特別登録で)補欠1番手と分かった時点で池添君が体を空けて待っていてくれた。折り合える位置で運んでくれれば。3000メートルは、どの馬も初めて。何が起こるか分からない」。3年前の悪夢を糧に、信じて待ち、その通りに幸運を引き寄せた陣営。菊川師も最後は、大いなる野心を隠そうとしなかった。

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2012年10月19日のニュース