【凱旋門賞】ペリエ騎手 ペースゆっくり「差し馬向いている」

[ 2012年9月25日 06:00 ]

【凱旋門賞】レースのポイントを挙げるペリエ騎手

ペリエ騎手が必勝法語る(2)凱旋門賞 芝2400メートル

(10月7日 フランス・ロンシャン)
 超スローから一転、上がりの速い競馬になることが多いが、その点に関しては次のように語る。

 「後半の速くなるところで2本の長い直線がある。最後は平たんなのにタフなレースになるのはそのせいだろうね」

 スローから上がり勝負と表現すると一見、逃げ馬が有利に思えそうだが、実際は苦戦傾向にある。

 「僕はエリシオで逃げ切ったが、あれはジャパニーズスタイル(笑い)。フランスではペースメーカーもいるし、スローで逃げてもみんな付いてくる。なかなか逃げ切ることはできない。だから、差し馬にチャンスがある。オルフェーヴルみたいな馬には向いていると思う」

 そのオルフェーヴルの可能性を問う前に、よく言われる「日本馬に対する厳しいマーク」と言うのが実際にあるのか聞こう。ペリエは一笑に付した。

 「みんなで結託して日本馬をマークなんてあり得ない。そんなことをして自分の着順が悪くなったら、何の意味もない。それにフランスでは調教師の指示が絶対。特別に日本馬をマークしている場合じゃないよ(笑い)」

 さらに続けた。

 「凱旋門賞はみんなが勝ちたいレース。だから、日本馬だからどうというのではなく、誰に対しても厳しいレースになるのは当然だ」

 その上で、あらためてオルフェの可能性を語った。

 「個人的には凄くチャンスだと思う。正直、ディープインパクト(3位入線後失格)の時も勝つと思った。今回も同じくらいチャンスはある」

 ただし、相手も強い。決して楽なレースにはならないだろうと続ける。

 「出走してくればキャメロット(英2冠馬)が有力なのは当然。彼が出てこなくてもスノーフェアリーやサオノワあたりは怖い存在。スノーは昨年以上に強くなっているし、サオノワは3歳馬だから重量面でも有利」

 もう1頭、昨年2着でヴェルメイユ賞勝ちのシャレータも好勝負必至と言う。

 「ロンシャンの2400メートルが得意。馬場がソフトになれば、さらに有力なんじゃないか」

 最後にもう1度、オルフェについて聞く。凱旋門賞を最も知る騎手は日本馬の可能性をズバリ、どう考えているのか?

 「前哨戦として同じ舞台を1度経験したことは大きい。次はもっと良くなるだろうし、何と言ってもムッシュ池江は名調教師だ。簡単に勝てるとは言わないが、かなり有力なのは間違いない」

 ◆オリビエ・ペリエ 1973年1月12日、仏北西部マイエンヌ県生まれの39歳。地元のポニー競馬で活躍し、シャンティイの競馬学校へ。91年仏最優秀見習騎手。94年ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップで初来日。以後、短期免許で来日多数。00年フェブラリーS(ウイングアロー)で日本G1初制覇。05年香港マイル(ハットトリック)など、日仏だけでなく世界を舞台に活躍。10年ジャパンC(ティモス15着)を最後に日本の騎乗から離れている。JRAでは2288戦379勝、重賞39勝。

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