【キーンランドC】バレンチノ 4連勝&スプリント王だ!

[ 2012年8月23日 06:00 ]

【キーンランドC】札幌競馬場ダートコースで追い切られたドリームバレンチノ

 サマースプリントシリーズ第5戦「第7回キーンランドC」の追い切りが、札幌、函館競馬場で行われた。3連勝中と波に乗るドリームバレンチノは馬なりで軽快そのもの。先週Wコースのある函館でほぼ仕上げ、態勢は万全。サマー王者奪取に向け、連勝街道ばく進だ。

【キーンランドC】

 3連勝の勢いは実戦まで封印。ドリームバレンチノは計算通り「静」に徹した。川島(レースは三浦)を背にダート6F標識で緩やかにピッチを上げると、過剰にエンジンを噴かすことなく1周。最後まで手綱は動かず6F82秒0~1F11秒9で駆け抜けた。オープン馬なら別段驚く全体時計ではないが、余力たっぷりに1F11秒台なら順調そのものと言い切れる。

 加用師は逆取材で切り出した。「札幌のダートはオープン馬だと、普通どれぐらい出るの?この馬、ほとんどダートで追ったことがないから、正直よく分からないんだよ」

 もっとも、師の表情に困った様子はない。全ては織り込み済みだ。先週までは走り慣れたWコースがある函館で調教をこなし、札幌移動後は状態維持を最優先に。22日が退厩期限の函館に残れば、水曜追い→当日に札幌即輸送のハードスケジュールになる。指揮官はこれを避けた。師は「追い切って、すぐ輸送では負担が掛かる。だから函館で先週そこそこやって(Wコース5F67秒1)、今週は無理させなかった。川島君の感触も良かったようだし前走の出来は保っている」。理路整然と好調をアピールした。

 体調がOKなら、3連勝中の勢いは、やはり見逃せない。前走・函館スプリントSは高松宮記念3着の実力馬ロードカナロアを寄せつけぬ完勝だった。「もともと力はある馬だと思っていたが、不利などで波に乗り切れなかった。しまいを生かす競馬が板に付いてきた」と師は目を細める。

 サマースプリントシリーズでは現在2位タイ。ここを勝てば王者に大きく近づく。「洋芝も(札幌と似た)函館で結果が出たから。秋と言うより、まずはここに全力」。4連勝&重賞連覇でサマー王者奪取。これが指揮官の描く青写真だ。

 ≪Vなら単独トップ≫サマースプリントシリーズのポイントは第4戦の北九州記念終了時点でパドトロワが13ポイントで首位。2位タイで10ポイントのドリームバレンチノ、マジンプロスパー、スギノエンデバーの3頭が並ぶ。バレンチノがここで勝てば20ポイントで単独首位。パドトロワは今回2着では18ポイントまでしか増えず、バレンチノは王者にグッと近づく。シリーズ最終戦のセントウルS(9月9日、阪神)には逆転王者を狙うマジンプロスパー、スギノエンデバーがスタンバイ。差を広げておきたいところだ。

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2012年8月23日のニュース