【関屋記念】美しい!強い!速い!ドナウレコードV

[ 2012年8月13日 06:00 ]

<関屋記念>根性で差し返したドナウブルー(手前)がレースを制す

 夏はやっぱり牝馬。サマーマイルシリーズ第2戦「第47回関屋記念」が12日、新潟競馬場で行われた。1番人気の4歳牝馬ドナウブルーがコースレコード(1分31秒5)で快勝。G1ヴィクトリアM2着の実績馬が苦手の長距離輸送を克服、完全復活した。牝馬3冠を狙う全妹ジェンティルドンナと共に秋のG1戦線を盛り上げることになりそうだ。また、2着に5歳牝馬エーシンリターンズが入って五輪同様、競馬の世界も“女強し”をアピールした。

【レース結果】

 真夏の日差しが照りつける越後のマイルで、ドナウブルーが輝きを取り戻した。スタートを決めて絶好の2番手をすんなり確保。序盤はハイラップを刻んで逃げるレッツゴーキリシマを前に見ながら進めた。コーナーを迎えても手応え抜群。659メートルの長い直線に入っても手綱は動かない。内田がゴーサインを送ったのは残り400メートル。内からしぶとく食い下がるエーシンリターンズとの一騎打ちに持ち込んだ。残り200メートルから最後の攻防。いったん前に出たエーシンを力でねじ伏せ、首差で差し返したところがゴールだった。

 引き揚げてきた内田は「いや~追わされた」と汗びっしょり。「直線は(エーシンに)2回前に出られて差し返している。普通の馬ならかわされているところ。最後に凄い勝負根性を見せてくれた。馬に勝たせてもらったようなもの」と初コンビのパートナーに最敬礼。1分31秒5は従来の記録を0秒3更新するコースレコード。「スタートが上手だし自分の位置で自分のペースで行けた結果」と潜在スピードを最大値まで引き出した。

 石坂師は小倉記念(エクスペディション)に続き2週連続の重賞V。「先行力を生かす思った通りの競馬。人馬共に根性を出してきょうは満点」と笑みを浮かべた。課題の輸送減りも克服し前走から2キロ増での出走。「輸送はもう心配ないね。高速馬場に対応できたのも収穫だし、1番人気を背負って勝てたことも大きい」

 今後の夢も広がった。「次は府中牝馬Sも考えていたが、こうなると欲が出てくる」と指揮官。サマーマイルシリーズ制覇を懸けて最終戦の京成杯AH(9月9日、中山)へ向かうプランも浮上した。秋の大目標は「マイルCSかエリザベス女王杯」と即答。全妹は春に牝馬クラシック2冠を制したジェンティルドンナ。「いずれは姉妹で一緒に競馬することになるでしょう」と、早ければ秋の京都で直接対決が実現する。父ディープインパクト、母ドナブリーニから類いまれな身体能力を受け継いだ石坂シスターズの走りから、しばらくは目が離せない。

 ◆ドナウブルー 父ディープインパクト 母ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ)牝4歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績13戦5勝 獲得賞金1億5963万7000円。

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2012年8月13日のニュース