【小倉記念】熱~い夏男エクスペディション 重賞初制覇

[ 2012年8月6日 06:00 ]

【小倉記念】夏場にめっぽう強いエクスペディション(左)は重賞初制覇を果たした

 サマー2000シリーズ第3戦「小倉記念」はエクスペディションが中団から鋭く伸びて重賞初V。石坂正師(61)と浜中俊騎手(23)は、昨年のイタリアンレッドに続く、小倉記念連覇を飾った。

 熱暑の小倉で輝きを取り戻した。昨年暮れから4連敗。不振にあえいでいたエクスペディションが復活の重賞初制覇。7、8月の小倉はこれで4戦4勝。見事な夏男ぶりを披露した。「今回走らなかったら、もう絶対に走らんと思っていた」(石坂師)。後がない条件でつかんだVに陣営の喜びは大きい。戦前は弱気だった浜中は驚き交じりに振り返った。

 「最近は、らしくない競馬が続いていたが、相性のいい小倉でやっと復活してくれた。昨年夏に3連勝したときから重賞で通用すると思っていたが、ようやくだね」

 それにしても鮮やかな一変だ。道中は中団外を追走。3角から持ったままでポジションを上げ、4角手前でスパート。残り100メートルで後続を突き放し、勝負を決めた。最後は流す余裕で2馬身半差の完勝だ。

 この一戦に向け、打てる策は全て打った。これまではテンションの上がりやすい気性を考慮して、最終追いは軽めだったが、一連の敗因を気合不足と判断し、今回はムチを連打。さらに10年12月5日の500万戦以来、13戦ぶりにメンコ(覆面)を外して闘志を奮い立たせた。「パドックで気性のきつい感じが出ていた。もしかしたらと思った」と和田助手。小倉替わりと勇気を奮った仕上げが実を結んだ。

 石坂厩舎と浜中のコンビは昨年のイタリアンレッドに続く小倉記念連覇。「今やリーディング騎手だし、なかなか最近はうちの馬に乗ってくれないよ」と石坂師は独特の言い回しで殊勲の鞍上を称えた。次走は新潟記念(9月2日)。「ボーナスを獲りにいきます」と、指揮官はサマー2000シリーズの優勝賞金4000万円を狙うことを宣言した。

 ◆エクスペディション 父ステイゴールド 母ビーモル(母の父リファール)牡5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績16戦6勝 総獲得賞金1億2698万8000円。

続きを表示

この記事のフォト

2012年8月6日のニュース