【クイーンS】ミッドサマー どよめく“軽さ”

[ 2012年7月26日 06:00 ]

<クイーンS>追い切りを終えて引き揚げる蛯名鞍上のミッドサマーフェア

 ミッドサマーフェアの追い切りを見ていた記者の間から、どよめきが起こった。動きが抜群だからではない。想像以上に軽めだったからだ。時計の出やすい芝コース単走で5F72秒6~12秒7は、馬なりとはいえ平凡な時計。しかし感触を確かめた蛯名は、顔色一つ変えず言い切った。

 「やれば時計が出るけれど、出すぎちゃうからやらなかっただけ。やったからってレースで走るわけじゃない。それに先週もいい時計で走ってる。レースに元気を残しといた方がいい」

 確かに前走のオークスでは最終追い切りで坂路4F48秒8の1番時計をマークしたが、レースでは脚をぶつけるアクシデントがあったとはいえ、まさかの13着に沈んだ。レースにより良い状態で挑むために試行錯誤した結論が、この日のしまい重点だった。もちろん仕上がりの良さも、手綱を通して伝わってきた。

 「春の後半は動きが少し硬くなっていたけれど、きょうは思ったほどじゃなかった。あとは輸送(函館→札幌)して体が減らなければ、だね」

 この馬においてもう一つ注目は、蛯名が51キロで乗ること。これは02年9月8日の京成杯AHキクカグロリアス(6着)以来。「(51キロと)知らなかったんだよね。馬にとっては楽でしょうけど、僕にとっては…」と苦笑い。

 小島太師は「オークスの翌日は脚が腫れて、今シーズンは無理だと…。使えるとは夢にも思わなかった。古馬は強いけれど、この馬も能力があるし、いいレースをしてほしいね」と期待を込めた。その名にもある牝馬同士の“真夏の祭典”を制すれば、実りの秋が見えてくる。

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2012年7月26日のニュース