【函館記念】極楽仕上げパラダイス ミスター函館が担当

[ 2012年7月12日 06:00 ]

<函館記念>トウカイパラダイスは追い切りで軽快な動きを見せた

 ミスター函館記念の仕上げに注目。北のハンデ重賞「函館記念」の追い切りが函館競馬場で行われた。前哨戦・巴賞の覇者トウカイパラダイスはWコースで躍動感あふれる動き。谷中康範(たになか・やすのり)厩務員は05~07年このレースを3連覇したエリモハリアーを担当した腕利き。勝ち方はよく知っている。

 トウカイパラダイスは函館Wコースで単走。快勝した巴賞から中1週、もう強い負荷は必要ない。柴山の手は最後まで動かず、軽快な脚さばきを維持したまま馬なりフィニッシュ。それでもラストは12秒5をマークしていた。躍動感十分で、自然と時計が出る。ここ5戦、手綱を取り続ける柴山も出来の良さに自信をにじませた。

 「集中して走れていた。前走の最終追いはビシッとやったが、その時と動きは変わりない。折り合いもついた。順調にきている」

 3月に1000万、準オープンを連勝。目黒記念でも2着。巴賞はインを突く器用さを披露して快勝。芝1800メートルは初めてだったが、難なく対応してセンスの良さを見せつけた。順調な上昇ぶりについて柴山は「以前は寂しがる面があったが、今は我慢ができるようになった」と分析する。レースに集中できる精神力を身に付け、力を出し切れるようになった。

 洗い場で丁寧に同馬を磨き上げるのは谷中厩務員。05~07年に担当馬エリモハリアーを函館記念3連覇に導いた腕利きも、見解は同じだ。「天皇賞・春(10着)の頃は多少おどおどしていたが、前走はパドックでも落ち着きがあった。自信が出てきたようだ」

 今年も函館入りしてすぐに、同競馬場で誘導馬を務めるエリモハリアーの顔を見に行った谷中厩務員。「パラダイスの顔つきもだんだんハリアーに似てきたなあ」と目を細める。狙うは5年ぶりのお立ち台だが、“ミスター函館記念”はさらに上を見据えている。「パラダイスにはハリアーより上を目指してほしい。だから函館記念を3度も使うことはないと思う。もっと出世してもらいたいんだ」。ここをステップにG1戦線へ。仕上げ人の言葉は担当馬への愛情にあふれていた。

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