【ドバイWC】ファルコン“粘土質”馬場で11秒6

[ 2012年3月28日 06:00 ]

<ドバイWC>追い切り後クールダウンをするスマートファルコン。右は小崎師。

 今年のドバイワールドCデー諸競走に日本馬は計7頭が挑む。中でも昨年のヴィクトワールピサに続く連覇が懸かるドバイワールドCは必見だ。ダート重賞9連勝中のスマートファルコンは本番と同じオールウエザーコース(タペタ)で最終追いを敢行。絶好の動きを披露した。28日には昨年の2着馬トランセンドと一昨年のダービー馬エイシンフラッシュが追い切られる予定。午後には枠順抽選会が開かれる。

 なじんでいた。スマートファルコンはメイダン競馬場の馬場に明らかにフィットしていた。これまでの主戦場だった地方の競馬場の深いダートとは違ってタペタの馬場は一見すると粘土質?と思わせるほどのグリップ力だが、フォームにブレはなくむしろ回転力に満ちた脚色で軽快に飛ばしていく。単走で6F79秒5、上がりは3F36秒7~1F11秒6にまとめた。

 「手前をしっかり替えていたし、いいフットワークで走っていた。ダイナミックでパワフルだね」。双眼鏡で見守った小崎師にチェックポイントはいくつかあったようで、手前を替えた点と、全体的なバランスを挙げて合格点とした。

 早朝5時半にドバイ国際空港に到着した小崎師と武豊は、それぞれ車を飛ばしてメイダン競馬場へ直行。6時半から行われた追い切りをカフェから見守った武豊は「そんなにタイムが出ているんだ。ソフトにやっているのかと思って見ていたけど、やっぱり競馬場だと速いタイムになるね」と話し、追い切り後にクールダウンに入ったパートナーをガラス越しに頼もしげに見つめていた。欧米、さらに現地のメディアも含めて30人ほどが、スマートファルコンの追い切りを注視。日本が誇る“逃亡者”にどれほどの認識があるのか疑問だが、エイシンフラッシュの藤原英師は「対世界やからシビアやで。向こうも研究してこっちを知り尽くしている」と真顔で言葉を挟んだ。

 小崎師も「昨年よりも速いペースになるだろうね」と厳しい展開は覚悟の上だ。「ブックメーカーが高い支持をしているのは知っているけど、あくまでチャレンジャーとして臨む」と世界挑戦の意識付けは変わりないと言い切った。

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2012年3月28日のニュース