愛と誠の戦士クウィリー 21日“日本デビュー”

[ 2012年1月20日 06:00 ]

美浦トレセンをバックにポーズを決めるクウィリー

 18日に初来日したアイルランドのトム・クウィリー騎手(27)が19日朝、美浦トレセンを訪問。調教風景を見学し、日本での初騎乗への期待を語った。午後には短期免許が交付され、期間は21日から2月19日まで。身元引き受け調教師は萩原師。欧州で売り出し中のホープが今週末から約1カ月の武者修行。“日本デビュー”となる土日の中山では計8鞍の騎乗が決まった。

 自らの手綱で米G1・BCフィリー&メアターフを制した英国馬ミッデイの帽子をかぶってトレセンの調教スタンドに現れたクウィリー。施設や調教風景を見学した後、厩舎関係者へのあいさつ回りを終え、報道陣の取材に応じた。日本滞在の拠点となるトレセンについて「施設がとても充実している。歩いている馬も質が良さそうだ。日本に来るのを楽しみにしていたが、より興味が湧いてきたよ」と端正なマスクに笑みをたたえながら印象を語った。

 既に数多くの海外ジョッキーが取得し、活躍の場を広げている日本の短期免許制度を利用しての来日。「ムーアや他の日本に行ったことがある何人かのジョッキーに話を聞いたが、レベルが高いしとてもいい国だから行った方がいいと勧めてくれた」と滞在を決意。日本の競馬は常にネットなどの映像でチェックしているといい「馬も世界中で活躍しているし、グローバルだと思う。日本で騎乗することは自分にとって大きなステップアップになる」と目を輝かせる。

 9戦無敗、G1・5勝の実績で昨年の欧州年度代表馬に選出された英国馬フランケルには、デビュー戦から全てのレースに騎乗している。「あの馬に乗せてもらえたことは本当にラッキー。幸せなことだ」と話すクウィリーは「いつも集中して走ってくれるし、あれがプロの競走馬なんだろう」と相棒を称える。欧州を席巻する怪物の来日については「僕が決めることじゃないから」としつつも「もし日本に連れて来ることができたら、もちろん僕が乗って勝ちたい」と夢を語った。

 欧州主要国はもちろん騎乗馬がいれば世界中へ飛ぶ。「北はノルウェーから南アフリカやニュージーランドでも乗ってきたよ」と話す27歳の若武者は「日本のファンにもベストの騎乗を見せたい」と表情を引き締めた。怪物を巧みに操る手腕さばきは必見だ。

 ◆トム・クウィリー 1984年(昭59)10月8日、アイルランド生まれの27歳。00年デビュー。05年に英国に拠点を移し、08年からリーディング10回を誇る英国の名門ヘンリー・セシル厩舎の主戦となる。09年にアートコノサーでゴールデンジュビリーSを制しG1初勝利。以降もミッデイ、フランケルなどで毎年コンスタントにG1・5勝以上を挙げている。昨年は656戦91勝で英リーディング8位。1メートル66、53キロ。

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2012年1月20日のニュース