【エ女王杯】アパパネ逆転は…牝馬G1全制覇へ正念場

[ 2011年11月8日 06:00 ]

<エ女王杯>洗い場でリラックスした表情を見せるアパパネ

 G1再開となる今週は「第36回エリザベス女王杯」が京都競馬場で行われる。注目は牝馬限定G1完全制覇が懸かるアパパネ。前走の府中牝馬Sで自身初となる2桁14着での大敗。陣営のトーンはガラリ一変とはいかないが、今回も恒例の栗東滞在仕上げ。精神面、肉体面に大きな変化はあるのか、目が離せない1週間になる。また「データBOX」からは外国馬スノーフェアリーの連覇が浮かび上がった。

 3冠牝馬が正念場を迎えた。前哨戦の府中牝馬Sで14着と大敗したアパパネ。デビュー以来、初めての2桁着順に蛯名も「完璧な競馬なのに、この負け方は…」と首をひねるばかりだった。

 考えられる敗因はいくつかある。まずは典型的な「本番に強いタイプ」であるということ。過去にもチューリップ賞(2着)、ローズS(4着)、マイラーズC(4着)と休み明けで敗れ、G1で巻き返してきた。調教のピッチや周囲の関係者の雰囲気を敏感に察知するタイプなのだろう。ならば凡走も納得できる。

 もう1点は「母系の血が強く出始めた可能性」だ。母ソルティビッドは父ソルトレイク譲りの短距離馬。同世代相手のクラシックは2000メートル超の距離も我慢できたが、古馬となって血統の本質が強く出てきている可能性は否定できない。この場合は本番にも黄信号がともる。

 ただ、調教での覇気は上々だ。2日の1週前追いは南D(ダート)コース。オッキオディガット(5歳1600万)を1秒1追走。直線ではインからパートナーにグッと接近して迫力を誇示した。ラストは首差遅れたが、これは相手の走りに合わせたため。5F66秒5、1F12秒3を馬なりでマークした。「まずまずかな。もう少し、うなるような雰囲気が欲しいが、それなりの時計も出ているし心配していない」と国枝師は動きに及第点を与えた。

 やはり焦点は気持ちの面だ。「年を重ねてズブくなっている。いろいろ挑戦させようとするんだが、すぐなじんでしまって刺激にならない。ここから先は自分との戦いじゃないかな」と指揮官。蛯名は「これまでもピンチをひっくり返してきたし、彼女を信じている。楽な戦いではないが今までの実績を尊重したい。期待している」と語る。3日に栗東入り、馬は“本番近し”を感じ取ったはず。牝馬限定全G1制覇へ、アパパネはどこまで気持ちを取り戻せるか。その最終追い切りに注目が集まる。

続きを表示

2011年11月8日のニュース