【菊花賞】抽選突破!マスタング無欲の“大波乱差し”だ

[ 2011年10月21日 06:00 ]

<菊花賞>軽快な動きを見せるゴットマスタング

 「第72回菊花賞」出走馬18頭の枠順が決定した。「7分の4」の抽選を突破したゴットマスタングに大駆けの予感。前走でようやく500万を勝ったばかりだが、底を見せていない魅力がある。無欲の後方一気がはまれば大波乱必至だ。3冠を狙うオルフェーヴルは14番、ダービー2着ウインバリアシオンは13番と7枠に同居した。

 前走で500万を勝ったばかりのゴットマスタングが幸運をつかんだ。7分の4の抽選を突破し初のG1に挑む。2冠馬オルフェーヴルとの初対決に「強いのは1頭どころか…」と檜垣助手。さすがに陣営のトーンは上がらないが、前走は後方から早めにまくる競馬で後続に3馬身差。ここ数戦は安定した走りを見せている。

 夏場の休養を挟んで着実に地力強化した。檜垣助手は「叩いて良くなる馬だけど、久々の前々走でいきなり2着。勝ち負けの競馬をしてくれたのはうれしい誤算だったね」と想像以上の成長ぶりに驚いている。「普段からのんびりしていて、人懐っこい」というタイプ。おっとりした性格は近走のレースぶりにも表れている。序盤はゆったりと運び最後方の位置取りだが、ゴーサインを出すと一変。強烈な末脚で追い込んでくる。

 最終追いは厩舎の先輩ナリタクリスタル(天皇賞に出走)に胸を借りた。4馬身後方から追いかけ、直線はいっぱいに追われる意欲的な内容。最後は3馬身ほど遅れたが「攻め駆けする相手といっぱいにやったが、追い切り後の息の入りは良かった。休み明け3戦目で確実に良くなっている」と胸を張って送り出す。

 2冠馬オルフェーヴルに注目が集まる今年の菊花賞。仮にオルフェが早めに動くようなら一気にペースは上がる。腹をくくっての後方待機、直線勝負に徹する。02年は10番人気ヒシミラクル、16番人気ファストタテヤマが後方一気でワンツー。馬単18万馬券の波乱を演出した。08年には15番人気のフローテーションが最終コーナー16番手から2着に追い込んだこともある。

 「血統的にも、気性的にも距離は問題ない。まだ底を見せていないし、本当に強いところとやってどれだけやれるか」と不敵な笑みを見せた檜垣助手。ゴットマスタングの無欲の差しが不気味だ。

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2011年10月21日のニュース