【七夕賞】タッチミー“苦難”乗り越え真価発揮!

[ 2011年7月5日 06:00 ]

初重賞Vを狙うタッチミーノット

 今週はサマー2000シリーズが開幕。初戦の「七夕賞」が中山競馬場で行われる。使われながら本格化してきた5歳馬タッチミーノットが初重賞Vを狙う。中央で勝ち上がれずに、園田へ移籍する苦難を経験。中央再転入後に力をつけ重賞のタイトルが見えてきた。秋の一層の飛躍へ、ここは勝負の懸かった一戦となる。

【七夕賞】

 タッチミーノットへの期待の大きさが柴崎師の笑顔に表れる。「オープンの中でも一つ上のクラスの馬と戦っていきたいと思っているんだ」。

 3歳の9月まで中央で勝利を挙げられず園田へ移籍。昨年の春、中央に再転入して以降、使われながらメキメキを力をつけてきた。今年初戦の準オープン(アメジストS)を勝ってオープン入りすると、G2の大阪杯に挑戦。G1馬キャプテントゥーレが生み出す速い流れにも戸惑うことなく、中団で流れに乗ると、直線は鋭く伸びて、勝ったヒルノダムールと0秒2差の6着に食い込んだ。上位5頭の内、4頭はG1馬。2着ダークシャドウも続くエプソムCで2馬身半差の圧勝劇を演じた素質馬だ。強豪ぞろいのレースでの走りを見た指揮官も自信をいっそう強めた。

 その走りに周囲の期待も集まり、前走の新潟大賞典は1番人気に。だが、差し届かず6着に敗れた。「前回は勝ちたかったんだけどね。ちょっと大事に乗りすぎたかな。仕掛けのタイミングが合わず、脚を余す形になってしまった。あれが実力だとは思ってない」とトレーナーは巻き返しを誓う。

 最大の武器は自在性。ためれば33秒台の切れ味を使えるし、先行してもしぶとく粘れるタイプ。中山芝2000メートルの舞台も1、3着と相性がいい。「中山では正攻法の競馬ができているし、コース替わりは問題ない」と自信を見せる。

 前走後は放牧に出してここ目標に調整。6月22日には坂路で4F49秒0の猛時計をマークし、1週前の30日にも南D(ダート)コースでいっぱいに追われた。「牧場でも乗ってるし、きっちりとつくってきた。ここで勝って賞金加算しておかないとね」と気合が入る。遅れてきた大器が実りある秋へ、負けられない一戦を迎える。

 ≪強い“巻き返し組”≫七夕賞は前走で敗れた組の巻き返しが目立つレースだ。過去10年で、前走Vから連勝で七夕賞を制したのは、09年のミヤビランベリ1頭のみ。03年ミデオンビット、04年チアズブライトリー、07年サンバレンティン、08年ミヤビランベリは、前走8着以下の大敗から巻き返してV。新潟大賞典6着からの巻き返しを狙うタッチミーノットには心強いデータだ。

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2011年7月5日のニュース