断水、液状化…混乱の美浦、補修作業急ピッチ

[ 2011年3月14日 06:00 ]

美浦トレセンで液状化現象となっている南Dコース

 美浦トレセンでは13日、困惑と混乱の中で、調教が行われた。液状化現象による噴砂で路盤が損傷した南D(ダート)コースは、前日に続いてこの日も閉鎖されたまま。同じく閉鎖されている北A、Cコースともども補修作業が急ピッチで行われた。

 一方、前日は閉鎖されていた坂路コースはゴール手前にできていた段差をウッドチップを盛ることで埋めて、再開。延べ1128頭が調教に利用した。

 断水による水不足も続いている。当初の予定では午前5時から午後1時まで断水が解除されることになっていたが、新たな漏水で夜間の貯水量が見込みより少なかったことや一気に大量の水が使用されたことで、調教開始から1時間後の午前8時には再び断水状態となってしまった。この時季の競走馬は一般的に1日に約30リットルを飲むとされており、水の確保は最優先事項。トレセンの散水車が美浦村役場との間を往復するなど対応に追われていた。

 JRAは今週末の開催を視野に入れて調整を進めているが、具体的なスケジュールなどがはっきり決まっていないことも困惑の一因となっている。多くの調教師は「競馬があってもなくても、われわれとしては馬の状態を整えるしかない」と話していたが、水不足もあいまって調教メニューの変更・修正を余儀なくされている陣営もある。地震被害の甚大さへの配慮に加え、トレセン自体も通常通りの調教を行える態勢まで復旧していないことから、今週末の開催には疑問を呈する声も挙がっている。

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2011年3月14日のニュース