【弥生賞】ターゲット3連勝へ“入魂”11秒7

[ 2011年3月3日 06:00 ]

サイアーエフェクト(左)と併せ追い切るターゲットマシン

 皐月賞トライアル「弥生賞」(3着までに優先出走権)の追い切りが2日、美浦、栗東トレセンで行われた。2戦2勝の関東の星、ターゲットマシンは主戦の田中勝春(40)を背に実戦さながらの好追い切りを披露。父ディープインパクトが05年に勝ったレースを力でもぎ取る構えだ。

 これぞ追い切りのお手本というべき動き。02年のこのレースをバランスオブゲームで制した田中勝=宗像厩舎コンビによる入魂の仕上げで、ターゲットマシン3連勝への態勢が整った。

 ポリトラックコースでサイアーエフェクト(6歳1000万)を2馬身追走。4コーナーで僚馬の直後に張り付いた。しばらく追走し、残り200メートルでサッと内へ。少し追われるとググッと前に出た。パートナーもゴール前で踏ん張ったため併入となったが、こちらは余裕残し。5F66秒7、1F11秒7を楽々とマークした。

 実戦に直結した内容だった。4角で馬の後ろに付けたのは馬群を想定。空いた時にサッと抜け出す訓練もタイトな競馬をにらんでのものだ。2戦2勝とはいえ初戦は出遅れからの大外一気、前走は外から鋭く差してゴール前は抑えるほどの快勝。能力の高さゆえに駆け引きや我慢を経験する機会がなかった。重賞の今回は勝つためにレースセンスが絶対に必要。それらを追い切りでしっかり磨いた。

 「G1を狙える馬だと思っている。皐月賞と同じ舞台。結果を出せればいいね」。田中勝にも力が入っている。「デビュー前は、やんちゃな面もあったが今は大丈夫。ストライドの大きさは、かなりのものがある。馬を信じて乗るだけだよ」と語った。

 宗像師は開口一番「時計、動きとも良かった」と笑顔を見せた。「前走後はここを目標に乗り込んだ。あまりバリバリと食う方ではなかったが、この中間はしっかり食っている。先週の段階で490キロ(前走480キロ)。多少プラス体重で出せるのでは」。草食系男子が、いよいよ目覚めたのか。馬体のボリューム、競馬センスとも前走と比較にならないほどアップしていることは間違いない。

 「まだ2勝馬なので最低でも出走権は欲しい。完成度が高かったバランスオブゲームと違って粗削りだが魅力はある」と締めくくった宗像師。雄々しく、荒々しく、3連勝で皐月賞に王手をかける。

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2011年3月3日のニュース