幸の不服申し立て認められず 仲裁機構へ提訴も検討

[ 2011年3月3日 06:00 ]

六本木のJRA事務所で裁定委員会の裁定を通知された幸騎手

 2月27日の阪神6Rで騎乗停止処分(開催4日間)を受けた幸英明騎手(35)が28日に行った不服申し立てに関する裁定委員会が2日午後、東京・六本木のJRA事務所で開かれ、同委員会は訴えを棄却した。JRAは裁定委員会を招集し、幸と裁決委員から意見を聴取するとともに、同レースを録画したVTRの検証を行ったが「(幸騎手騎乗の)ゴールデンアタックが最後の直線で内側に斜行した行為は、降着事由に相当すると認められる」と結論づけ、訴えを退けた。

 レース確定後の不服申し立ては94年に制度化され、これまで騎手2人、調教師4人の計6人から5件の不服申し立てがあるが、裁定が覆った前例は1度もない。従来はJRA役職員5人で構成される不服審理委員会が審理してきたが、09年6月から岡部幸雄元騎手ら3人を新たに外部委員として委嘱し、招へい。外部委員3人とJRA裁定委員会委員2人の計5人の合議体で審理を行われることになった。今回が新体制となって初めての審理だったが裁定が覆ることはなかった。

 この日、棄却の裁定を通知された幸騎手は動揺した表情で「棄却の裁定には納得できない。今後は応援して下さっている(武)豊さんなどの騎手仲間と相談して決めたい」と心情を吐露した。今後は日本スポーツ仲裁機構に仲裁を求めるなどの選択肢が上がっており、その動向が注目される。

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2011年3月3日のニュース