【有馬記念】レッドディザイア馬なり12秒5

[ 2010年12月23日 06:00 ]

坂路を駆け上げるレッドディザイア

 牝馬の強豪はブエナビスタばかりではない。レッドディザイアもその資格は十分。対ブエナビスタは1勝3敗だが、昨年の秋華賞ではゴール前の叩き合いの末に競り勝っている(ブエナビスタは2位入線も3着に降着)。アメリカ遠征で確実に地力強化されているとあれば、秋華賞の再現があっていい。

 1週前追いでしっかりやっていることもあり、最終追いは軽め。坂路コースに入ると前半は引っ張り切りで14秒7、13秒6、12秒9のラップを刻み、ラスト1Fもせいぜい六~七分程度。それでも12秒5のトップスピードでゴールした。
 「先週、乗ってくれた四位君が“気合を乗せ過ぎない方がいい”と助言してくれたので、きょうはジョッキーも乗せずに、馬なりでやった」と松永幹師は説明。そう言うや「あとは追い切った後の様子を見てから。宝塚記念のことがあるからね」と気を引き締めた。宝塚記念と言えば苦い思い出がある。追い切り後に鼻出血を発症し、記者会見の場で出走回避を表明することになったのだ。
 今年はここまで計5戦を消化したが、ドバイで2戦、米国で2戦。国内はヴィクトリアマイルの1戦のみ。「海外遠征?収穫も大きいけど消耗も大きいよ」と松永幹師は言うが、早くからここを目標に定めてじっくり調整してきている。
 海外では自身の手を離れて外国人ジョッキーがまたがっていた。主戦の四位は応援団の立場だったが、レースを振り返って「前哨戦はいい競馬をしているのに本番のG1では枠とかペースに泣かされてついていない面があった」と気の毒がった。有馬記念は「中山も初めてなら距離も初めて。未知の部分はあるけど器用に立ち回れるはず」。5月ヴィクトリアマイル以来、久々にコンビを組む四位は熱くなる要素をあえて胸の中にしまい、冷静に見通しを語った。

 ≪帰国初戦でも!≫ブリーダーズCフィリー&メアターフ4着から有馬記念に臨むレッドディザイア。海外遠征からの帰国初戦でグランプリを制した馬は69年スピードシンボリ(凱旋門賞着外から)1頭。ただ、海外遠征帰国初戦でG1を勝つ例は近年増えており、今年はブエナビスタがドバイシーマクラシック2着からヴィクトリアマイルを制している。

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2010年12月23日のニュース