【秋華賞】1着アパパネ

[ 2010年10月18日 06:00 ]

<京都競馬11R・秋華賞>牝馬3冠を達成したアパパネと、その馬上で天に指を突き上げる蛯名

 牝馬3冠ロード最終戦「第15回秋華賞」は17日、京都競馬場で行われ、単勝2・3倍の1番人気に推されたアパパネが中団追走から直線で豪快に他馬をねじ伏せて、86年メジロラモーヌ、03年スティルインラブに続き、7年ぶりに史上3頭目の牝馬3冠を達成。2歳時の阪神JFも含めた2歳&3歳牝馬GI4戦完全制覇は史上初の快挙となった。

 誰もがこの瞬間を待っていた。アパパネは強かった。美しかった。3コーナーすぎ、12番手の外で折り合っていた蛯名は迷わずゴーサインを送った。他馬に邪魔されない「外」を豪快に抜き去っていく。直線インで必死に抵抗するアニメイトバイオをねじ伏せ、真っ先にゴールに飛び込むと蛯名の左手は高々と上がっていた。
 「今は本当にホッとしてます。すんなりと馬の後ろに入れたので前回(ローズS4着)より折り合いはスムーズ。力を信じていたし、心配はなかった。僕の仕事をするだけだった」
 牝馬3冠は86年メジロラモーヌ、03年スティルインラブに続き3頭目。阪神JFから続く牝馬GI4戦完全制覇は史上初の快挙だ。秋初戦のローズSで苦杯を喫しても蛯名は確信していた。「トライアルで“100”に仕上げるわけにいかないので。担当の厩務員さんもひとときも離れず頑張っている。自然体で挑めた」
 オークスで史上初のGI1着同着で2冠達成すると夏場は放牧で緩めることなく、美浦で歴史的猛暑も乗り越えた。「誤算といえば、夏でちょっと体が立派になったぐらい」。国枝師が挙げた唯一の課題もおなじみの栗東入厩で乗り越えた。スタミナをつけるため坂路中心から、距離の長いトラックコース調教に切り替えたハードな調教にも耐えてわずか4キロ減。究極の仕上げで結果を出した。
 4万観衆のみんなが拍手で祝った表彰式。JRAが事前に製作した「おめでとう アパパネ号。祝牝馬三冠達成」とデザインされた横断幕と一緒に記念撮影に納まった。「これだけの横断幕、負けていたらゾッとしますけど…。今でも十分強いのでこれ以上望むことがないぐらい。無事が一番だと思うし本当にかわいい。全部がかわいい」。蛯名は競馬界に待望久しい新アイドルに目を細めた。次走はエリザベス女王杯(11月14日、京都)が濃厚。その先にはA級牡馬との対戦も待っている。アパパネのGI無敗街道は新たなステージへと突入していく。

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2010年10月18日のニュース