【ダービー】神の逃げファントム“高配の使者”

[ 2010年5月26日 06:00 ]

宮師に甘えるコスモファントム

 今年のダービーは上位陣が強力。だが、付け入るすきはある。高配当の使者にはコスモファントムを指名する。上位人気馬はほとんどが後方からの末脚勝負。4年連続で先行馬が連対しているように、前々でしぶとく立ち回るタイプが狙い目だ

 近年のダービーで高配当の使者となっているのは先行馬。今年のメンバーなら、コスモファントムがそんなイメージにピッタリ。宮師は「ゲートセンスがいいしレースにいっての不安がない馬。ここでもいいレースはできると思う。長い直線でどれだけしのげるか」と前々で粘り込むレースを思い描いている。
 東京は直線が長いから追い込み馬が有利…と思われがちだが、最近4年は逃げ&先行馬が2着。アドマイヤメイン、アサクサキングスが逃げ粘り、08年スマイルジャック、09年リーチザクラウンは好位でレースを進めていた。先週のオークスでも逃げたアグネスワルツが3着。長い直線を意識して後続の仕掛けが遅れれば遅れるほどチャンスは広がってくる。
 もちろん、コスモファントム自身も上位争いして不思議のない能力を持つ。2歳時に萩Sをレコードと同タイムでV。年末のラジオNIKKEI杯2歳Sでは皐月賞ヴィクトワールピサに続く2着。3着ダノンシャンティ、4着ヒルノダムールといった強豪に先着した。その後は休養に入ったため評価は低いが、宮師は「脚元がモヤついたし、将来のある馬なので休ませた。ゆっくり調整したことがかえって良かったかも。消耗していないからね」と説明する。放牧先のビッグレッドファーム鉾田でじっくりと調整。当初はダービーに直行するプランもあったが、前哨戦の京都新聞杯に間に合った。しかも5カ月以上のブランクがありながら差のない2着。「思っていた以上の競馬ができた」と宮師は地力の高さをあらためて感じ取った様子だ。
 中間も順調に調整を重ね、25日朝は角馬場から坂路1本。ひと叩きされた上積みは十分。「前走時は息の入りがもうひとつ。今回の方がその点ではいい。息の入りが早くなっているから。上積みはあると思いますよ」。ならば粘りは増すはず。鞍上・松岡は思い切った騎乗が持ち味だ。何かをやらかしそうな魅力にあふれている。

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2010年5月26日のニュース