【ダービー】“東風”に乗ってハンソデの季節

[ 2010年5月26日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・ダービー=25日】前日の豪雨も上がり、朝から気温が上昇。午前5時半と同時に坂路テレビの前に陣取った小田の眠気はすぐ消えた。ハンソデバンド、アリゼオ、ペルーサ、トーセンアレスとダービー組の馬名が次々と登場したからだ。確実に関東に追い風が吹いている?どの馬も元気良く見える。北馬場に足を運ぶと、いつもと同じく、ハンソデバンドの尾形師が真剣なまなざしで調教馬を追っていた。

 「使う以上は正直、ケツにはなりたくないな。18頭しか出られない枠に賞金上位で入っているのだから光栄なこと。それに今年はいいメンバーがそろった。観客じゃなく、当事者として臨めるのはうれしいね」
 07年に生産された7611頭中、晴れ舞台に立てる確率はわずか2・3%。皐月賞18着直後は落ち込んでいた指揮官も、胸が高鳴らないはずがなかった。2走前の共同通信杯ではダノンシャンティ、アリゼオを倒してV。皐月賞以外はすべて1着か2着の堅実な成績を収めてきた。
 「皐月賞の時は調教後の体重が484キロ(レース当日は468キロ)。気持ち余裕があったので、直前に大きめに乗ったのが影響したかも。先週あたりの雰囲気もどっしりとしていい感じ。プラス体重になると思うし、競馬は何が起こるか分からないからね」
 3月に日本調教師会会長に就任。公私ともに多忙を極める中、競馬の隆盛が一番の願いだ。「会長の立場上、東西の区別はないけれど…。関東の人間として、関東馬の活躍はうれしい限り。ダービーも頭数こそ少ないが、オークスに劣らず、関東も有力だと思うんです」。気がつけば気温は27度に上昇、まさに半袖の季節。オークス1着同着でわく“東風”に乗って、ハンソデバンドが息を吹き返しそうだ。

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2010年5月26日のニュース