【ダービー】神の脚ペルーサ見せる“ゴボウ抜き”

[ 2010年5月26日 06:00 ]

調教後、洗い場で体を洗われ気持ちよさそうな表情のペルーサ

 悲願のダービー制覇へ。藤沢和師の40年近い競馬人生の結晶がペルーサ。ダービーには延べ13頭を送り、02年シンボリクリスエス、03年ゼンノロブロイの2着が最高。G1・21勝を挙げている名将でも届かないのがダービーの勲章だ。

 だが、ペルーサは積年の思いをかなえてくれる大器だ。無傷V4。本番と同舞台の前走・青葉賞は後続に4馬身差の楽勝だった。「思った以上の強さ。東京芝2400メートルは3歳馬にとって大変なのに余力を残して坂を上がってきた。クリスエスやロブロイと同じくらいの競馬ができた」。師は最大級の賛辞を送った。
 最大の武器。それは成長力だ。「もともと牧場や厩舎に来た当初はそんなに凄い馬ではなかったんだ。でも、デビュー2週間前だったかな。動きが急に良くなってね。驚いたよ」と指揮官。先輩2頭の背中の感触も知る葛西助手は「競馬に行って覚えてくれる馬。一戦一戦成長している。体全体を使って走れるようになってきたし、体に張りがあって格好良くなった。この時季のクリスエス、ロブロイと比べてもそん色ないし、成長はこちらが早いぐらい」と肌で充実を感じ取っている。
 気負いはない。ホースマン最大の勲章を前にしても、師は自然体を貫いている。それが、幾多の先輩の敗戦から得た財産でもある。「ロブロイ、クリスエスの時は2400メートルの距離を意識して調整していたが、結果は出なかった。だから変わったことはしない」。全休明けの25日は坂路を軽く駆け上がり、最終追いに備えた。馬体は、はちきれんばかり。出来は最高潮だ。
 「これだけメンバーがそろうと、かえって楽しみだよ」。藤沢和師は普段と変わらず、豪華決戦を楽しむ余裕がある。W杯開幕12日前の5月30日。マラドーナにちなんで名付けられたペルーサが伝説となる。

 ▼馬名の由来 サッカーのアルゼンチン代表監督のディエゴ・マラドーナ氏(49)の愛称が由来。母馬アルゼンチンスターからの連想でもある。ペルーサとはポルトガル語で「毛深い子」の意。マラドーナ氏は現役時代からもじゃもじゃの髪の毛がトレードマークだった。

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2010年5月26日のニュース