【天皇賞・春】ソレイユの大橋師「新聞社の人、全然来ませんわ」

[ 2010年4月30日 13:54 ]

 【G1ドキュメント】下馬評は低い。当たり前だ。カネトシソレイユは前走で準オープンを勝ったばかりで重賞初挑戦。それもいきなりG1だ。井上は大橋厩舎へ足を向けた。前走の勝ち方に進化を感じたからだ。戴冠は無理でも2着や3着なら十分にある。

 「そこの端っこに入ってます。見てください」。担当の坂井淳一厩務員は洗い場で、もう1頭の担当馬を世話しつつ明るい表情だ。雄大な馬格のカネトシソレイユは薄暗い馬房内でも馬体が輝いている。鼻面をなでると「なんや、お前」みたいな目をこちらに向けた。ソレイユと話す?井上のそばに大橋師が来た。
 「今週は新聞社の人、全然ここに来ませんわ」
 6歳馬だが豪州産のため半年遅れの5歳半。体質的な弱さもあり頭角を現すのが遅れた。「体に厚みが出て、どんどん力をつけています。それに折り合いの心配がないのでハンドル操作が楽。今度は強敵相手で常識的には厳しい。でも、今年の天皇賞はサバイバルの様相で抜けた馬がいませんからね。具合はいいしひそかに期待してます」そしてこう続けた。「自分とこの馬、イメージがダブるんです。地道にコツコツって感じで」
 もうすぐ49歳になる大橋師は調教師生活7年目で、G1初挑戦になる。厩舎を後にするとき、早朝からの雨がやんでいた。

続きを表示

2010年4月30日のニュース