ウオッカ引退残念だけど…武「子供に乗りたい」

[ 2010年3月8日 06:00 ]

<第47回弥生賞>ヴィクトワールピサでレースを制し握手する武豊騎手(左)と角居勝彦調教師

 ウオッカ引退の知らせに、10戦にわたってコンビを組んだ武豊も「僕自身も、いくつもG1を勝たせてもらった素晴らしい馬。残念ですね…」と寂しげな表情を浮かべた。

 08年ドバイ・デューティフリーで初騎乗(4着)。その後、同年秋の天皇賞ではダイワスカーレットを、長い写真判定の末、わずか2センチ差で下し、翌09年春にはヴィクトリアM、安田記念を連勝。記録にも記憶にも残る勝利に導いてきた。ディープインパクトの引退と入れ替わるように現れた女王を「ここ数年の日本競馬を引っ張ってくれた」と評価。シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープと肩を並べるG17勝。2年連続で年度代表馬に輝いた功績を、あらためて称えた。
 角居師が「ありとあらゆる夢をかなえてくれた」と話すウオッカが唯一、成し遂げられなかったのが海外G1制覇。もし、ドバイWCに出走して勝利していれば総獲得賞金は18億円を超え、テイエムオペラオーを抜いて世界歴代最高となるはずだった。引退で夢と消えたが、それでも13億3000万円を超える賞金は、国内牝馬では堂々のトップ。名実ともに女王の座をほしいままにした。
 凱旋門賞馬シーザスターズとの間に産駒が誕生すれば、世界的な注目を集めることは間違いない。武豊も「チャンスがあれば、僕もウオッカの子供に乗ってみたい」と興味津々。女傑のドラマには、まだまだ続きがある。
 ◆シーザスターズ 父ケープクロス、母アーバンシー(母の父ミスワキ)という血統の愛国産馬。08年7月デビュー。初戦は4着に敗れたが、これが生涯で唯一の敗戦となった。09年に英2000ギニー、英ダービーを制して英国クラシック2冠を達成し、凱旋門賞を優勝。G1・6連勝で現役を引退した。09年度のカルティエ賞年度代表馬に輝いた。半兄には同じく英ダービーを制したガリレオがいる。通算9戦8勝。

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2010年3月8日のニュース