エイム“夏に脱いだ女!”/アイビスSD

[ 2008年7月17日 06:00 ]

春とは馬が変わった走りを見せるエイムアットビップ(右)

 新潟名物・直線1000メートル重賞「第8回アイビスサマーダッシュ」の追い切りが16日、美浦、栗東の両トレセン、函館競馬場で行われた。栗東組では3歳牝馬エイムアットビップが坂路で合格点の走りを披露。春のG1戦線で結果を残せなかった快速馬が短距離路線の主役へ名乗りを上げた。

 春とは別の馬と思っていい。桜花賞7着、NHKマイルC13着と不本意な結果に終わったエイムアットビップ。短距離路線で本領発揮を狙って臨むアイビスSD。その注目の追い切りは坂路でタニノベローナ(2歳新馬)を5馬身ほど追走する形でスタート。途中から切れ味鋭い伸び脚を繰り出し強めに追われ1馬身先着した。全体時計はエラーながら、ラスト1Fは12秒3。手綱を取った小林慎(レースは吉田隼)の手応えもいい。
 「後ろから行って最後は差す形。4F53秒ぐらいじゃないですか。先週も52秒1を出しているし時計は気にしなくていい。放牧から帰ってからは、メンコを外しているんですけど、それで辛抱できているし大人びてきた感じですね」
 今春の一連のレースは出来が完調とは言えなかった。しかし、放牧でリフレッシュした効果が表れているようだ。「春先はレース前に発熱が続いたりして、キャンターでももうひとつ伸びがないという状態で使っていた。今は凄くいい頃に戻ってきているし、レースでの体重は同じぐらいになりそうだけど見た目からして中身が違う」。仕上がりの良さを強調する渋田助手の言葉も力強い。
 精神面も成長。春先は追い切り後の逍遥(しょうよう)馬道でもイレ込んでいたが、この日はゆっくりと歩いて帰ってきた。昨夏に結果を出しており、暑さも苦にしない。
 桜花賞が大目標だっただけに、マイルを使われてきたが本質はスプリンター。阪神芝1200メートルの未勝利戦をレコード勝ちした天性のスピードが武器だ。同様に夏から短距離路線に転向し、スプリンターズSを制した昨年のアストンマーチャンの例もある。51キロの軽量も魅力で、古馬も牡馬も寄せ付けない速さを新潟の直線で存分に見せつける構えだ。

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2008年7月17日のニュース