魔物が阻んだブラウン3冠/ベルモントS

[ 2008年6月9日 06:00 ]

 大波乱の結末に大観衆もあ然、ぼう然…。米G1ベルモントSが7日(日本時間8日早朝)、ベルモントパーク競馬場で行われ、77年のシアトルスルー以来、史上2頭目の無敗3冠制覇を狙ったビッグブラウンは大差の最下位9着に敗れた。勝ったのは最低人気の伏兵ダタラだった。

 単勝1・3倍と断然人気に支持されたビッグブラウンは逃げた勝ち馬の直後を追走する絶好の展開。だが、4角で突然バランスを崩すように失速。誘導馬のポニーが迎えに行くため走り出し、競走中止と思われたが、デザーモは下馬せず、最後は歩くように何とかゴールにたどり着いた。「レース中はずっと馬が神経質な感じだった。これがこの馬の実力ではない」とデザーモ。だが、管理するデュトローJr師はレース後の共同会見を拒否。ゴール直後に馬を診断した獣医は「どこにも異常はない」を繰り返したが、スタート直後にも脚を滑らせており、中間に判明した左前脚の裂蹄の影響があったとみられる。
 競馬場に詰めかけた観衆は、昨年の2倍となる約9万4000人。最大のライバルと目されたカジノドライヴが出走を取り消し、歴史的3冠確実のムードが高まっていただけに落胆ムードに包まれた。7日のニューヨークは最高気温が30度を超えており、疲れ切った表情で家路を急ぐファンの姿が目に付いた。歴史的瞬間のはずが、まさに踏んだり蹴ったりのウイークエンドとなってしまった。

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2008年6月9日のニュース