(2)スマイルジャック

[ 2008年4月19日 06:00 ]

調教後、洗い場で体を洗ってもらうスマイルジャック

 スプリングSの覇者スマイルジャックが皐月賞獲りへ意欲的な調整を行った。坂路をゆっくりと上がって(4F68秒0)、Wコース入り。足慣らし程度で引き揚げるのかと思いきや、1F15秒程度の熱のこもったキャンターを消化。追い切りから中1日でこれだけ動けるのが、絶好調である何よりの証拠だ。小桧山師は「さらに一段とパワーアップしたような動きと馬体だ。枠(1枠2番)は入ったところがいいところと思っているから気にならない。堂々と皐月賞へ向かいたいね」と力強く言い切った。

 確実に追い風が吹いている。たっぷりと雨が染み込んだ中山の芝コース。後方から切れ勝負に懸ける馬の末脚が鈍れば、前々でチャンスをうかがうスマイルジャックには願ってもない展開となる。鞍上・小牧は先週の桜花賞で12番人気レジネッタをVに導き、ついにG1ジョッキーの仲間入り。小牧は「気分的にかなり楽になった。これなら緊張感を馬に伝えることなくレースに臨めるはずだ」と語った。前走以上に人馬の呼吸を合わせて走れることは間違いない。
 小桧山師はこう付け加えた。「レースは生き物。競馬に向かうまでにマイナス点が最も少なかった人、馬に一番いい結果が出るようになっている」。長いホースマン歴から得た教訓だが、皐月賞でもっともその言葉がしっくり来るのがスマイルジャック。前哨戦を勝ち、中間の調整も順調で、ジョッキーは前週に初めてG1を勝った。これ以上に理想的な臨戦過程はあるまい。
 「3歳戦線はレベルがきっ抗していて、ここまでずっとサバイバルゲームだった。思い通りの調整はできている。後は当日を楽しみにしたい」。小桧山師は自分に言い聞かせるように締めくくった。

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2008年4月19日のニュース