Bシェル爆走!待ってろチャールズ/皐月賞

[ 2008年4月17日 06:00 ]

武豊を背に坂路で追い切られたブラックシェル

 ブラックシェルの勝負駆けだ。ハード調教で迫力満点のフットワークを披露。マイネルチャールズとの直接対決は2戦2敗だが、上昇度で3度目の対決に勝つ勢いだ。皐月賞の枠順は17日に決まり、馬券は18日、都内ウインズ新橋、後楽園で金曜発売される。

 闘争心みなぎる最終追いだ。ブラックシェルは坂路でミダースタッチ(3歳500万)を追走。最初の1Fを14秒8とキャンター並みのスピードで入ったが“早く走らせろ”と言わんばかりに首を大きく左右に振った。鞍上の武豊が徐々に手綱を緩めスピードに乗り始めると、もたげていた首をグイッと前方へ下げ戦闘モードへ。びっしりと馬体を併せて最後の直線を迎えた。相手も毎日杯3着の実力馬だけに互いに譲らずのデッドヒート。ゴール前では馬体を接触させ、パートナーをはじき飛ばすように併入した。
 「いい併せ馬ができた」。追い切りを追えた武豊は満足そうに振り返った。9日にも同騎手騎乗でCWコースで目いっぱいの併せ馬を消化しており「2週続けてハードに追ったが馬は凄く元気」と笑顔。見守った松田国師も「男馬だし大きなレースを狙うにはこれくらいの強い負荷が必要」と語る。前半を抑えた分、全体時計は4F53秒4と平凡だったが「もともと稽古は動かない馬だし雰囲気とか息遣いはいいから」と武豊。松田国師も「しまいはもう少し伸びる感じがあった」と攻めながらも本番での余力を十分に残した調整だ。
 2走前のきさらぎ賞はゲートで暴れ、出遅れて7着。反省を生かしてゲート練習や「返し馬をスムーズに行うため」(松田国師)のキャンターを取り入れた結果が前走・弥生賞の2着好走だ。前走時が532キロという大型馬。厳寒期は父クロフネ譲りの筋肉質な巨体を持て余していたが、気温が上がるにつれて体もほぐれ強い負荷に耐えられるようになった。師は「冬場は仕上げづらかったが今回はきっちり調整できた」と自信を持ってレースに臨む。
 ダービー2勝の名トレーナーも不思議と皐月賞には縁がない。02年に後のダービー馬タニノギムレットで、昨年は4戦無敗のフサイチホウオーで挑みいずれも3着に敗れている。「僕も豊君もこれまでの経験があるし、やれるだけのことはやった」と師。現状打破へ放った攻めの一手が、ライバル勢にとって最大の脅威となる。

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2008年4月17日のニュース