アニメ研究部 上坂すみれ

上坂すみれ、新曲に込めた“哲学”の正体「意味がないのが…」

[ 2017年7月12日 10:00 ]

12日に8枚目のシングル「踊れ!きゅーきょく哲学」をリリースした上坂すみれ
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 「アニメ研究部」インタビューに今回登場するのは、12日に8枚目のシングル「踊れ!きゅーきょく哲学」を発売した声優の上坂すみれさん(25)。楽曲、そして、声優を軸としながらの音楽活動への思いなどを語ってくれました。

 縦型MVが話題となった前作「恋する図形(cubic futurismo)」から約1年ぶりのリリース。3曲が収録され、かなり盛りだくさんな内容となっている。表題曲の「踊れ!きゅーきょく哲学」は自身も作詞に参加している。「哲学とは名ばかり(笑い)」の、何よりも分かりやすさを前面に出したという。「ディスコ歌謡っぽいので、その曲調をいかせたらいいなと。ライブで掛け合えるパートを入れたくて、そのフレーズとして歌詞に“哲学しよ!”と入れました。ただ、そこに小難しい意味合いはないんです。楽しく踊って暮らしてるみたいな。そういうお気楽感ですね。意味がないのが、この曲の哲学ですかね」

 テレビアニメ「アホガール」(TOKYO MXほか、火曜後11・00)のエンディング曲にもなっている。自身も風紀委員長役で出演している同作については「ヒロインたちはアグレッシブでハイテンション。でも、ラブコメの体もなしている」と説明。そのうえで、「エンディングでその世界観が総括できるような、画が思い浮かぶような曲になっていればいいなと思います」と話す。

 冠番組「上坂すみれのヤバい○○」のテーマ曲で2曲目の「ヤバい○○」は、大好きだという「ザ・プーチンズ」による楽曲。メンバーの街角マチオを「知性を感じさせるのに、アホだったり意味がなかったりという曲を生み出す方」と絶賛。今作も「私の好きな“意味のないシリーズ”。歌詞は間違えてもいいくらいの意味のなさ」と解説し、「ライブでやったらどうなるんだろう。途中で水を飲んでもいいくらいの曲なので、みなさんもユルく聞いてもらえれば」。そう話す表情がどこまでも真面目だから、面白い。

 3曲目「最先端△ガール feat.内田真礼」は、声優・内田真礼とのコラボで早くも話題に。内田については「デビュー間もないころから先輩として背中を見てきた、お姉さんみたいな方。的確な感性とキャラクターへの感情移入がとても上手」と尊敬する存在。自身の楽曲に他のアーティストが参加したのは初めてで、その記念すべき最初の人が内田となった。同時期に内田の楽曲に上坂が参加したが「今回は私の曲に来てくれた真礼さんという感じ。真礼さんだからすごくなじんで、お互いのよさが出ている気がするなあ?って」と、ふんわりと喜びを表した。

 声優とアーティストの2足のわらじ。「アニメやゲームなどで名前や存在を知ってもらって初めて本人名義での仕事(歌手など)に意味が出ると思う」と、あくまでも声優活動が軸であるという考えだ。ただ、人前で歌うことも重要だといい、その理由については「定期的に顔出しがあると暴飲暴食しないようになる。根が堕落しているので、気を付けようってなりますから」。こちらの想定をあっさり超えてみせる回答で笑わせてくれたと思えば、続けて、歌うことへの位置づけを「歌手というより、幅の広いサブカルチャー事業だと思っています」とも。

 「キャラクターでのライブでなく本人名義のライブでは自由がききますし、サブカルとかも入れたりできますから」。そんな上坂が見据えるのは「ゆるキャラとのライブはいいですね。(奈良の)せんとくんが一番好きなので奈良の仏閣でやるなんていいですよね。バックダンサーとしてほかにも5体くらい来てくれないでしょうか…」。どこまで本気なのか。でも、いつか本当にやるんだろうなと思わせてしまうから、不思議。(中田 智子)

=インタビュー後編は7月19日にアップ予定。直筆サイン色紙のプレゼントもあります。お楽しみに。

 ◇上坂 すみれ(うえさか・すみれ)1991年12月19日生まれ。神奈川県出身。2012年1月「パパのいうことを聞きなさい!」で本格的に声優デビュー。15年の第10回声優アワードでは新人女優賞を受賞した。13年4月期放送のアニメ「波打際のむろみさん」の主題歌「七つの海よりキミの海」で歌手デビュー。ファンからは「すみぺ」の愛称で親しまれ、ソ連・ロシアへの造詣が深いことでも有名。14年に上智大学外国語学部ロシア語科を卒業。趣味の一つに、東京・中野ブロードウェイ散策。

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