「疲れが吹っ飛んだよ」その一言のために――SAY-LA・椎名ここ “推す側”からステージへ 歌うのが怖かった夜を越え

[ 2026年3月30日 20:30 ]

【画像・写真3枚目】スマホケースの裏「私の“推し”も…」――SAY-LA・椎名ここ、言葉遊びの挑戦状と鏡合わせの自分(撮影・神崎 セナ)
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 アイドルグループ「SAY-LA」の椎名ここは、もともと“推す側”の人間だった。大好きだったのはNMB48。劇場に週1で通うほどの熱心なファンで、客席からステージを見上げる日々を過ごしていた。そんな少女が今、アイドルとしてステージに立っている。歌うことが怖くなった夜を越え、それでも活動を続けてこられた理由とは――。(「推し面」取材班)

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 普通に働く生活を送っていた。そんな中、転機は思いがけない形で訪れた。「アイドルに興味ありませんか?」。そう声をかけられ、半信半疑のままSAY-LAのライブを見に行った。

 ステージに立つメンバーの水色の衣装が目に飛び込んできた。「お姫様みたいで、すごくかわいくて」。客席から見ていた憧れの景色が、一瞬で胸に刺さった。「入りたい!」。気付けば、その思いが大きく膨らんでいた。

 ただ、地元大阪から東京へ出て活動するには家族の理解が必要だった。以前はパティシエとして働いていた時期もあったが、長く続いていたわけではない。「全然違うことをやるの?と言われるかなと思って、反対されるんじゃないかと不安でした」。恐る恐る母に打ち明けると、返ってきた言葉は意外だった。

 「やりなよ」

 その一言を聞いた瞬間、涙が止まらなかった。「うれしくて大号泣しました。もし母がダメと言っていたら、今も普通に働いていたと思います」。背中を押してくれた言葉が、人生の進路を変えた。

 初めてステージに立った日の光景も忘れられない。研究生のような立場での出演だったため、自分のファンはいないだろうと思っていた。だが客席にはサイリウムを振ってくれる人の姿があった。コロナ禍で声出しができない時期だったが、揺れる光を見て「応援してくれているんだ」と伝わってきたという。

 「初めて見る私にもサイリウムを振ってくれて。なんて優しいんだろうって思いました」

 声はなくても、確かに届く応援があった。その温かさに触れ、アイドルとしてステージに立つ意味を少しずつ感じていった。

 活動を続ける中では、壁にもぶつかった。先輩メンバーの卒業後、大事な歌割りを任される機会が増えたが、高音が苦手だった。本番では緊張で声の調子が左右されることもあり、「歌うのが怖い」と感じる時期もあったという。「心が折れかけたこともありました」。

 それでも新しいボイストレーナーと出会い、基礎から発声を学び直した。少しずつ出し方が分かるようになり、歌うことへの恐怖はやがて楽しさに変わっていった。「今は怖い気持ちはなくて、のびのび歌えるようになりました」。

 そんな彼女の支えになっている言葉がある。ライブ後、ファンからかけられた一言だ。

 「仕事の疲れが吹っ飛んだよ」

 仕事終わりで会場に来てくれる人も多い。「一日の最後に幸せな気持ちになって帰ってもらえるなら、自分がここにいる意味もあるのかなって思えるんです」。かわいいと言われるのもうれしいが、この言葉は少し特別だという。「本当に思っていないと出てこない言葉だと思うので。アイドルになってよかったなって思います」

 かつて劇場でサイリウムを振っていた一人のファン。今はステージの上から、誰かの一日を明るく終わらせる存在になろうとしている。

 「仕事の疲れが吹っ飛んだ」――。その一言のために、今日もマイクを握る。

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