“妊娠不戦敗”規定を削除 日本将棋連盟がおわび 規定検討委員会設置へ

[ 2025年12月17日 05:30 ]

福間香奈女流6冠
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 日本将棋連盟は16日、福間香奈女流6冠(33)から変更を要望された「妊娠規定」について、一部を撤回すると発表した。

 4月に同連盟が制定した「女流棋士公式戦番勝負対局規定」では産前6週間、産後8週間の期間にタイトル戦の日程が重なった場合、対局者を変更すると決定。タイトル保持者は戦わずして失冠するルールが施行された。これに対し、全8冠中6冠を保持する福間が規定変更を求める要望書を連盟に送付。10日には大阪市内で弁護士同席の下に記者会見を開き「第2子を持つことは不可能。絶望的になった」と訴えた。

 これを受けて連盟は同日、「福間女流6冠に不安を抱かせてしまったことに対し、心よりおわび申し上げます」と声明を発表したものの、女流タイトル戦「倉敷藤花戦」を主催する倉敷市(岡山)は「女流棋士の理解を得ているという連盟からの説明と違う」と規定の再考を求める申し入れ書を送付する事態となっていた。

 対応を協議した連盟は16日、「本規定により、あたかも対局日の変更等はできず、機械的に判断されると受け取れる説明をしていた」と認めた上で「対局日程が産前6週間、産後8週間と重複時は対局者の変更を行う」規定を削除。日程の延期など「可能な限りの調整を行います」とした。その上で「ファンの皆さま、関係者の皆さまにご心配とご不安をおかけいたしましたことを、深くおわび申し上げます」という清水市代会長のコメントを発表した。

 今後は来年1月までに「公式戦番勝負対局規定検討委員会(仮称)」を設置し、4月に最終答申を提出する。ただし対局者はもちろん主催社、対局開催地、スポンサーなど全ステークホルダーの権益を過不足なく維持するルールを構築するのは不可能に近い。代替案としては暫定王者制の採用など、現実路線の検討が強いられそうだ。

 《連盟対応「前向きに捉える」》連盟の対応を受け、福間と弁護団は「前向きにありがたく捉え、将棋界発展のため実りある議論が進められることを切に希望する」とコメントした。10日の会見では出産によりタイトルを諦めざるを得なくなる規定について女性のリプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利および自己決定権)を大きく制約していると主張。法的手段を取る可能性は否定したものの、連盟への対決姿勢を明示していた。
 今後、具体的にどのような対応が取られるかについて「引き続き注視していく」とし「より良い環境整備のために我々もできうる限り尽力していく所存です」とした。

 【これまでの経過】
 ▼2024年10月4日 福間香奈女流6冠が出産のため休場すると日本将棋連盟が発表。併せて福間女流6冠が出場する女流王座戦5番勝負の第2局以降が延期に
 ▼25日 福間女流6冠の体調不良のため、白玲戦第6局が不戦敗となり、7番勝負で敗退
 ▼29日 福間女流6冠の体調不良のため、女流王将戦第3局が不戦敗となり、3番勝負で敗退
 ▼11月1日 連盟が福間女流6冠が出場する倉敷藤花戦3番勝負の延期を発表
 ▼11月17日~25年2月12日 福間女流6冠が出産のため休場
 ▼4月 連盟が妊娠出産で事実上不戦敗となる規定を策定
 ▼12月10日 連盟が福間女流6冠から規定の見直しを求める要望書を受領。同日付で倉敷藤花戦を主催する岡山県倉敷市も連盟に規定の見直しを求める要望書を送付
 ▼16日 連盟が出産不戦敗規定を削除、検討委員会を設置すると発表

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