日比谷野音 “最後”の音漏れ 建て替え前ラストライブはエレカシ 宮本浩次「なんて幸せなバンド」

[ 2025年9月29日 05:30 ]

 建て替え工事前の最後のコンサートが開かれた日比谷公園大音楽堂=28日午後、東京都千代田区(共同通信社ヘリから)
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 「ロックの聖地」「フォークの殿堂」として親しまれてきた東京都千代田区の日比谷公園大音楽堂(野音)で28日、老朽化に伴う建て替え工事前の最後のコンサートが開かれた。10月から使用が休止され、2029年ごろの再開まで、ファンやアーティストはしばしの別れとなる。

 最後の公演を務めたのは、ロックバンド「エレファントカシマシ」。チケットは完売し、北海道から訪れた70代女性は「記念すべき公演を見られるなんて奇跡」と開場を待った。公園内には、リハーサルや本番の“音漏れ”を聞こうと集まったファンの姿も。午後5時に公演が始まると、約1000人が会場外に聞こえてくる音に合わせて手拍子をするなど盛り上がった。建て替え工事では防音壁が設置され、ステージや客席前方に屋根がつけられる。神戸市の50代女性は「建て替え後は、こういう(音漏れを楽しむ)楽しみ方は難しくなるのかな」と寂しそうに話した。

 1923年に日本初の本格的な野外音楽堂として開設。収容人数は約3000人。戦後はコンサート会場としてだけでなく、毎年5月のメーデーをはじめ、政治集会や市民活動の場としても重要な役割を果たしてきた。これまでに2度改修が行われており、現在の施設は83年完成の3代目だった。

 音楽シーンでは多くの伝説が生まれてきた。75年にはロックバンド「キャロル」が解散公演を開催。終演間際に特殊効果の爆竹の残り火が燃え移り「CAROL」の電飾が炎上する様子は、大きなインパクトを残した。77年には「キャンディーズ」が解散を宣言。84年には故尾崎豊さんがライブ中に、高さ7メートルの照明台から飛び降りて骨折しながらも歌い続けた。忌野清志郎さんが率いたロックバンド「RCサクセション」も、81~90年に夏の野音ライブが恒例に。その後も出演者全員が女性のロックフェス「NAONのYAON」が話題になるなど、多くのアーティストが聴く人の記憶と心に残るステージを見せてきた。

 この日野音のフィナーレを飾ったエレカシは、同所での公演数最多となる41公演を行ってきた。宮本浩次(59)は「最後のステージで歌えて良かった。こんな素晴らしい場所でできるなんて、なんて幸せなバンドだろう」と感謝。熱い言葉を聞いた会場内、そして外で“音漏れ”に耳を澄ませていたファンから温かい拍手が送られた。

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