「私は北海道で生きていく」──埼玉育ちの阿部葉菜が信じた「タイトル未定」の音楽と“遠回りの意味”

[ 2025年7月21日 15:00 ]

【画像・写真2枚目】「デビュー曲のような気持ちで」──「タイトル未定」阿部葉菜、5人で踏み出す“空”という名の新たな一歩(撮影・谷乃愛)
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 5人組アイドルグループ「タイトル未定」の阿部葉菜が、新曲「空」の発売を受けて東京・渋谷でソロインタビューに応じた。地元・埼玉から、縁もゆかりもない北海道へ。常識から見れば“遠回り”と思われたその選択には、音楽への揺るぎない信頼と、自分を貫く覚悟があった。(「推し面」取材班)

【阿部葉菜 連載①】「デビュー曲のような気持ちで」

 もともとアイドルを目指していたわけではない。本当は歌手になりたかった。しかし、現実は甘くなかった。そんなとき、母親から勧められたのが欅坂46(現・櫻坂46)のオーディションだった。

 「結果は落ちたけど、“あれ?アイドルっていいかも”って初めて思うようになりました」

 友人がいたグループに加入しアイドル活動を始めたが、約2年で解散。その後は学業に専念するため、一度ステージを離れた。それでも「やっぱりステージに立ちたい」という想いは消えなかった。BiSHなどが所属していたWACKのオーディションにも挑戦したが、結果は届かず。いよいよ就職を考え始めた頃、出会ったのが「北海道でアイドルをやる」という道だった。

 人生で初めて北海道の地を踏んだのは2019年12月。まだ正式加入前のことだった。真冬の北海道は視界を覆うほどの雪に包まれ、埼玉で育った日常とはかけ離れた景色が広がっていた。そのとき、腹は固まった。

 「人生で見る一生分の雪を、その日に全部見た気がしました(笑)。でも、なんだかワクワクしたんです。私はここで生きていくんだって決めました。今思えば、あれは人生が変わるきっかけになったのかも」

 一方、知人の反応は冷ややかだった。北海道はかつて、男女問わずトップアイドルでもコンサートの集客に苦戦する「アイドル不毛の地」と言われた時期があった。そんな土地に飛び込む阿部の決断は、「え、北海道!?(笑)」と疑いの目で見られた。

 その言葉に胸の内で「見返してやる」と闘志を燃やした。決意を後押ししてくれたのは、加入前に渡されたインスト音源。まだ歌声も入っていない旋律に心が震えた。「これなら勝てる」。そう思った瞬間、やる気がみなぎった。

 「出会えたタイミングには意味がある」。アイドル活動を続けるうえで心に刻む言葉だ。タイトル未定を気に入ってくれた人から「もっと早く知りたかった」と言われることもあるが、阿部はそうではないと信じている。

 「“その時”に出会ったから、好きになってもらえたんだって」。過去の話題は自分が話すから、ファンや新しく出会った人たちとは、これからの「タイトル未定」について一緒に語り合いたい。そう願う気持ちは、デビューから5年経った今も変わらない。

 思い通りにいかなかった夢。故郷を離れ、単身で北海道に渡った。ちょっと遠回りの人生だったかもしれない。それでも、すべてに意味があったと信じている。

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