【サウナヘヴン草加・ちくわ店長】「サウナは大人の公園」 音楽とデスマッチ “熱”を愛する男の原点
Photo By スポニチ
【SAUNANCHU~ととのいの裏方たち~】「SAUNANCHU(サウナンチュ)」──それはサウナに生きる“人”の物語。“~んちゅ”とは、沖縄の言葉で「~の人」のこと。彼らの手で薪が割られ、温度が保たれ、静かにストーブが燃え続ける。そんな「ととのいの舞台裏」に立つ人々の仕事、哲学、人生に迫る。
第1回の舞台は埼玉県草加市。せんべいが名物のこの地を「サウナの街に」と熱い思いで突き進む男がいる。サウナ好きなら思わず反応してしまう、特徴的な赤いネオンの看板。“サウナ大国”フィンランドの有名な公衆サウナを思わせるそのシンボルの先に、今日の主役が待っていた。“ちくわ店長”の通称で親しまれる岡見知彦さん(45)。白髪まじりの無精ひげをたくわえた口元でにっこりと笑うその表情は、どこか人を惹きつける人間味にあふれている。サウナヘヴン草加を支える彼の原点とは――。
彼の温浴体験の原点は、音楽活動にあった。高校1年のとき、社会人バンドからの誘いを受けたのが始まりだ。ハードコア系パンクバンドでの担当はベース。「初心者中の初心者。最初は何もできなかった」と、10歳以上離れた大人たちに揉まれながら音楽を学んでいった。20代前半には、ジャズやブルースのルーツでもある“ジャグバンド”にのめり込み、年間200本近いライブをこなす日々。「ライブ終わりに風呂に寄って帰るのが楽しみだった」と、全国各地の温浴施設をメンバーと巡る時間が、癒しのひとときだった。
東日本大震災の翌年。「音楽で生きていく」とプロを志し、上京を決意する。アコースティックギターを片手に“ちくわ朋彦”の名でソロ活動を開始。年間150~200本のライブをこなし、自主制作でアルバムも4枚。「日銭を稼いで、歌い続けた」と語るように、音楽一色の5年間を駆け抜けた。その後、結婚と第一子誕生を機に、ギターを置く決断を下す。
転機は、思わぬ形でやってきた。離婚を経て、埼玉県草加市に移住。音楽好きのマスターがいる居酒屋「和伊話云(ワイワイ)」で運命の出会いがあった。「“うちの店にもサウナ好きが来るよ”と紹介されたのが、今のオーナーだったんです」。毎日のように足を運び、ジョッキ片手にサウナ談義を交わした。22年、店で飲んでいると「サウナ事業を手伝ってほしい」と打診を受けた。「正直、最初は迷いました。でも“好きなことを仕事にできる”チャンスって、そうそう巡ってこない」。熟考の末、当時勤めていた葬儀屋を辞め、サウナ業界へ飛び込んだ。
「サウナって、天国だよね」。店名「サウナヘヴン草加」は即決だった。同年11月、二人はフィンランドを訪れる。「本場を知らずに施設をやるのはどうなんだろう」と葛藤を払拭するための、2泊5日の弾丸旅。草加での出展計画を見据え、首都ヘルシンキに点在する“都市型”公衆サウナを巡った。当初は「草加健康センター」など、日本の公衆サウナをモデルにする予定だったが、本場での体験は価値観を根底から覆した。「この体験を日本でやったら絶対楽しい。俺たちは“フィンランド式”のサウナをやろう」。その瞬間、施設の方向性が明確になった。
最も心を打たれたのが、“セルフロウリュ文化”だ。「日本では“ロウリュしてもよろしいですか?”と、どこか申し訳なさそうな風潮がありますよね。でもフィンランドには全くそれがないんです」。各自が思い思いに蒸気浴を楽しみ、会話のきっかけにもなる。その発見から、サウナヘヴンならではの名物が生まれる。「退出時に他の人のために一杯のロウリュを行う」。これをルールとして導入したのは、おそらく当時の日本では初の試みだった。「セルフロウリュへの罪悪感をなくしたい」。そんな思いが形となった。サウナ室の設計、空気の循環、すべてにフィンランドの思想を取り入れ、サウナ愛好家の“ツボ”を突く場所が、少しずつ完成していった。
サウナ以外に、もう一つ“熱くなる場所”がある。趣味はプロレス観戦。中でも大日本プロレスの熱烈なファンだ。「デスマッチが本当に好き。ただ過激なだけじゃなくて、感動があるし、ものすごくエキサイティングなんですよね」と、目を輝かせる。ファンとの距離が近いことも魅力のひとつだ。「さっきまで血まみれで闘っていた選手が、興行後にそのまま物販に立ち、お客さんにサインを書いたり、握手に応じたりするんです」。その姿に、選手のプロレス愛がにじむ。「僕もサウナが本当に好き。それがお客様に伝わる場所にしたい。そう思わせてくれたのが、大日本プロレスでした」。
「サウナは“大人の公園”だと思うんです。みんながルールを守って遊び、コミュニケーションをとる」。この比喩が妙に腑に落ちた。一人でも、大勢でも楽しめて、新しい出会いが待っていることもある。「僕たちは言わば遊具のような存在。ジャングルジムが動かないように、僕たちもここでお客さまを待ち続けます」。そう語って、少年のように笑う表情が、施設への愛を物語っていた。
サウナ室を出るとき、一杯のロウリュを欠かさない人たちがいる。ちくわ店長が本場フィンランドから持ち帰った想いが、ゆっくりと根付いている。ここは間違いなく“サウナの街”になる。開店前から黙々と仕込みに汗を流す、大きな背中にそれを確信させられた。
◇岡見 知彦(おかみ・ともひこ)1980年(昭和55)10月24日生まれ、茨城県守谷市出身の45歳。“ちくわ”の愛称は、かつて飼っていた白と茶色の愛犬(キャバリア)に由来する。2023年12月に「サウナヘヴン草加」の開業に携わり、サウナ室の温度管理から運営全般まで担当。趣味はプロレス観戦で、施設内にはグッズも点在。デスマッチ専用のサウナハットも開発した。
Instagram:https://www.instagram.com/hoppy___boy?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
X(旧Twitter):https://x.com/saunaheaven
【サウナへヴン草加】
・住所:埼玉県草加市高砂1-10-45高梨ビル1F(東武スカイツリーライン「草加駅」東口より徒歩5分)
・営業時間:平日15:00~23:00/土日祝9:00~23:00
・公式HP、SNS:公式サイト:https://sites.google.com/view/saunaheavensoka/
Instagram:https://www.instagram.com/sauna__heaven/
X:https://x.com/saunaheaven
芸能の2025年6月9日のニュース
-
検査入院していた橋幸夫が退院 「一過性脳虚血発作」で救急搬送 11日公演でステージ復帰へ
[ 2025年6月9日 23:30 ] 芸能
-
5月に結婚発表の日テレ・郡司恭子アナ レアな眼鏡姿に「可愛い」ファン歓喜「幸せだから美しさが…」
[ 2025年6月9日 23:24 ] 芸能
-
「自撮りおばあちゃん」西本喜美子さん死去 97歳 異色の経歴、ユニークな自撮りがSNSで大人気に
[ 2025年6月9日 23:10 ] 芸能
-
かまいたち山内 相方・濱家からの誕生日プレゼントがまさかの高値に! 金相場高騰で「売ります!」
[ 2025年6月9日 22:55 ] 芸能
-
倖田來未 夫&妹misonoと3S公開 「夫婦って似てくるのね」「倖田姉妹素敵」の声
[ 2025年6月9日 22:51 ] 芸能
-
村重杏奈、プライベートでイラッとする瞬間 会話中に「全然わかってない!」直接指摘
[ 2025年6月9日 22:49 ] 芸能
-
FRUITS ZIPPER イベントのマナー違反者を“永久出禁”も 「厳しく対応」警告文発表
[ 2025年6月9日 22:26 ] 芸能
-
女性囲碁棋士三段の大須賀聖良さんが事故死 21歳
[ 2025年6月9日 22:24 ] 芸能
-
要潤“イケメン息子”とのショット披露「若き自分と似ていてびっくり!」に「本当に似てますね」の声
[ 2025年6月9日 22:20 ] 芸能
-
鶴瓶 「ボロカス言われる」後輩芸人は… 上岡龍太郎さんの甥っ子だった!!
[ 2025年6月9日 22:19 ] 芸能
-
Rちゃん、自分の年収より低い男性と付き合える?結婚相手に求める“最低年収”も明かす
[ 2025年6月9日 22:18 ] 芸能
-
石破首相「所得5割増」公約 皮肉ツッコミ続出 「所得税5割増だろ」「税金と社会保険料下げたらすぐ」
[ 2025年6月9日 22:00 ] 芸能
-
長嶋一茂 ロケ中に名投手にバッタリ再会 「どうもご無沙汰です!」まさかの対戦秘話も
[ 2025年6月9日 21:59 ] 芸能
-
若槻千夏 人生初めて「オープン前から食べ物系で並んだ」人気ドーナツ披露に「顔よりおっきい」と驚きの声
[ 2025年6月9日 21:47 ] 芸能
-
粗品、声優のメディア露出にコントで言及「出しゃばんなって。おもろい声優なんか一人もおらんねん」
[ 2025年6月9日 21:40 ] 芸能
-
BEYOOOOONDS・島倉りか 卒業公演 「やりきった。とっても幸せなアイドル」
[ 2025年6月9日 21:30 ] 芸能
-
和田アキ子 衣装をあげる芸能人明かす 指輪のサイズも大きすぎて問い合わせの電話が…
[ 2025年6月9日 21:29 ] 芸能
-
和田アキ子 自身の「都市伝説」について真偽明かす 「それ本当」の多さに榊原郁恵も絶句!
[ 2025年6月9日 21:28 ] 芸能
-
後藤謙次氏 石破政権の9カ月を回顧 「墜落寸前の飛行機」から「本当にピンチがチャンスに」
[ 2025年6月9日 21:27 ] 芸能
-
東野幸治 「唯一断る仕事」を告白 朝の名物コーナー、NGにした怒りのキッカケとは
[ 2025年6月9日 21:20 ] 芸能




















